大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

まもなく始まります。高濱浩子「The traveling stamps」

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9月10日(木)より神戸在住の画家高濱浩子さんによる切手を使ったポストカードの展示販売「The traverig stamps」始まります。

高濱さんのお父様は貿易商をされていました。エアメールについている切手が幼い頃からの宝物。旅と美術へいざなうキーアイテムだったと思われます。

たくさんの物語を孕みながら進化し続ける色と形。ご自身に真摯に向き合い紡ぎだされる作品は、見る人の深淵に迫るものがあります。

今回は使用済み切手にインスピレーションを受けて高濱さんが色と形を添え、そのポストカードが再び旅に出る「The traveling stamps」から150枚の1枚ずつ異なる作品を展示・販売いたします。

中には2019年のキプロスの旅にちなんだ貴重なカードも少数ご用意(こちらは販売価格が異なります)。あなたとあなたにとっての1枚が、澄んだ空気のもとで豊かな出会いを果たせますように。

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キプロスへの旅」はSWITCH onlineからどうぞ →  ☆ 

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高濱さんの旅の随筆が載っている「coyote

 

読書日和・喫茶日和

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開店する頃横殴りの冷たい雨が降っていて、辺りはひっそりしてたので、今日は読書日和かな、と昨日沖縄から到着した本を開く。市場の古本屋「ウララ」から届いた2冊。ほっとする静けさと涼しさ。読書にぴったり。

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沖縄本「滸(ほとり)」と「CONTE MAGAZINE」

友達の宇田智子さんがジュンク堂書店員から古本屋店主になったのは2011年。私たちが大沼で母屋を建てていた頃だった。もともとの賢さとユニークさに「沖縄で沖縄の本を売る」という明白なテーマが加わり、にわかにスポットライトを浴びる。あちこちの雑誌で見かけるようになり、次々と本を出してゆく。

私が図書館員を辞めて西荻で「三月の羊」に加わった時智子さんが言ってくれた「隣のお姉さんがアイドルになっちゃった感じ」をそのまま返す。何だか遠くに行ってしまったみたいなまぶしくて少し淋しいような誇らしいような気分になった。新聞やラジオでも見かけた。

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でも、お店をやっていくということは決して華々しいことではない。続けるのは本当に地道な、自主トレみたいなものの積み重ね。有名な公設市場が老朽化で建て直しが決まり、公設市場の真ん前に、市場の一部みたいな雰囲気の中にあったウララから見える景色も、ずいぶん変わっただろう。

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じっくり話を聞いてまとめられた読み応えのある記事とかっこいい写真満載の「CONTE」

雨が降りしきる初秋の森。すばらしい環境で幾つかの記事を読んだ頃、読書日和は喫茶日和でもあったらしく、お客さんが続く。気温が下がったので、コーヒーを注ぐときの香りがぐっと強く感じられ、とても美味しそうに入った。

古本だけでなく沖縄発の新刊も取り扱うウララは、夏休みを終えて今日からシャッターを開けているはずだ。数年前に訪れた那覇のむっとした熱気を思い出した。


*通販サイトはないけれど、ウララのブログに載っている本はメールで注文すれば購入することができます。川口美保さん編集の「CONTE MAGAZINE」創刊号、おすすめ☆

◎市場の古本屋ウララのブログ→https://urarabooks.ti-da.net/
◎ウララを訪ねた時の2015年夏のねこひ日記 → https://nekohi3.hatenablog.com/entry/20150803/p1

 

 

水鏡

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今日の大沼

朝の散歩の水鏡お裾分けです。カヌーが心地よい季節。カヌーもセグウェイも、今年は道民割を利用するといつもより手ごろに楽しめますよ。

お店はちょっと暑くなりましたが、母屋の2階に寝転がると、北東から南西へ抜ける風が心地よくうっとりしました。

 

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最近レギュラー入りしたぶどうパン

 オーガニックレーズンの素朴な甘み。ずっしり入ったぶどうが嬉しい一品です☆
明日までが暑いようですね^^夏のしっぽをかみしめながら、アイスコーヒーをご用意してお待ちしています!

紅葉の気配がしてきた大沼のほとりから

 

 

漫画と音楽

       

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日中暑いけれど、それでも最高気温30度。夜は半そででは肌寒い気温なので寒暖差で自律神経がやられ気味。秋の草花が静かに揺れています。自律神経の乱れらしき頭痛にはα波。そんなに信じてなかったんだけど、以前つらかった時息子1が手もみとα波で治してくれたことがあったので、それ以来なすすべがない時はイヤホンでα波を聞きながら入眠^^ 回復。

冬の入院時、自分が大変な時を乗り切るのに何が必要かだいたい見当がついていたので、漫画とウォークマンを持ち込みました。何はなくとも大抵の局面は漫画と音楽(とお風呂)があれば乗り切れる!という変な自信があり実際その通り。新店舗開設でここ1年、ゆっくり漫画を読む暇もなかったので、漫画を用意したら入院が楽しみにさえなりました。

3食昼寝・漫画付きとはなんと贅沢。お見舞い何がいい?という友人Yにすかさず頼んで持ち込んだ「聖☆おにいさん」にほのぼのし、途中「宇宙兄弟」と「コウノドリ」。現実的すぎない自分より過酷なドラマは入院にぴったり。並べておいたら研修医の先生や看護師さんとも会話がはずんだりして(モーニングばっかり)。

考えるということが出来ないときには、多少ぼーっとしてても流れるように進んでいくストーリー漫画が良いです。本はたぶん読めないだろうと思って保険で1冊だけ持っていき、この時ばかりはあらゐけいいちさんもパス。ナンセンス漫画って、すごく集中力がいるから。「日常」を隅から隅まで読み直したい気もしたけど、たぶん無理との判断正解。

後半思考回路が復活してきた頃合いを見計らってお見舞いに来てくれた友達Tちゃんにおねだりして吉田戦車さんの「伝染るんです」全5巻。これもすばらしかった。高校時代に大ヒットした有名なナンセンスギャグ漫画ですが、今読んでも味わい深く面白い。青年漫画だったはずだけどJKにもおじさまにも21世紀の小学生にもウケる吉田さんはやっぱりすごい。(後日息子らが見事にはまりました)

帰宅後精神安定剤としてT子さんが貸してくれた漫画数十冊と入眠導入に音楽が何よりの助け。あらゐさんの「CITY」を読めるようになっている自分の回復ぶりにほっとしたり。4月頭に夫から「1月から100冊くらい読んでるんじゃない?」と言われて「まさか」と言いつつ数えてみたら、手にしている「ジジジイ GGG」が101冊目で笑いました^^

基礎知識がない子どもにはピンとこないかと思いきや、いつのまにか息子らも「聖☆おにいさん」にはまり、今家族全員で手塚治虫の「ブッダ」を読んでいます。「聖☆おにいさん」は天界から降りてきたブッダとイエスが立川の古アパートに暮らすという設定なのですが、その中のブッダは手塚漫画が大好きで、黒本(講談社が出している黒いカバーの手塚治虫全集。全400冊あるらしい)をあがめているんです。

聖☆おにいさん」が「ブッダ」のパロディをしてるのに、「ブッダ」をしばらく読んでなかったから、本家「ブッダ」がパロディに見えて不思議な感覚。これを読んだ上でまた「聖☆おにいさん」が読みたくなってしまいます。息子1は「これってあの場面だよね」とすぐにどの場所とどれがリンクしているのか見つけて大喜び。

ブッダ」は小学生以来なので内容をほとんど忘れていましたが、まだ読んでいない(読んだけど忘れている)手塚漫画に出会えるのはとても幸せ。いつ何時読んでも、手塚治虫はほんとうにすばらしい。今「ブッダ」を読み返すと、私は手塚教にこの頃(たぶん11歳)から入信して、生き方の指針や世の中というもの、差別とか平和についてもほぼそこを基盤に生きてるのかも、と思うほどです。

死ぬまでに、あとどれくらい読めるだろうか。400冊あるという全集のうち、たぶん半分は読んだと思うんだけど。手塚さんと言えばアトムやジャングル大帝レオ、ブラック・ジャックなど少年漫画が有名ですが、それは氷山の一角で、人間の表も裏も全てを書ききってるんじゃないかと思うくらい古今東西宇宙まで果てしない。

ファンを自覚したのは数年前、Eテレで手塚を語る特集にコアなファンという伊集院光さんを含む数名が座談会してた時。自分ごときがファンを語るなんておこがましい、と思ってたけど、あれ?私この人たちの会話にふつーに混ざれるかも!?意外と読み込んでる?と気づいたのでした。ほかの漫画とは別枠で、ずっとずっと、きっと一生かけて読んでゆきます。

 



     

実り~ブルーベリー販売

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みなさんに長らく見守っていただいた庭のブルーベリー、とうとう直売が始まりました。ほんの数パックずつですし、天気が悪いと傷みやすいので穫れないのですが、2012年にここに入ってからの芹沢の苦悩を見てきているので、私も大変感慨深いです。

ブルーベリー苗専門店から取り寄せた、様々な品種のブルーベリーを、農薬や化学肥料を一切使わずに手作業で育てています。短い期間ですが、見かけたらぜひ食べてみてください。野性味がありながらしっかりした甘みも感じられる一品です。

ウリは、無農薬・無化学肥料です。「無農薬」はわかりやすいと思いますが、無化学肥料は微妙な言葉ですよね。「有機肥料ってことですか?」と思う方もいらっしゃると思いますが、有機肥料さえあげていないのです。

草マルチ(刈った草を幹の周りにかぶせる)をすることで朽ちた草が自然の肥料になってゆき、土壌改良には薪ストーブのタールを加えて酸性化させています。ちまたにオーガニックという言葉が浸透し、「有機」信仰みたいなものもありますが、基本的な考え方は、なくていいものはなしで、というのが芹沢のスタイル。お菓子やパンも全く同じ考え方で作っていると思います。

三月の羊のクッキーが好評なのは、その余計なものを極限まで取り去った為に感じられる素材の良さだと思うのですが、ブルーベリーに関しても同じです。余計な肥料を加えないことで、本来の果物の味がしっかり感じられ、食べ応えのある味になるのではないでしょうか。

何事もシンプルにするにはそれなりにポイントを心得、ある意味手間のかかる部分もあります。ブルーベリーの場合は、こまめな草刈やきめ細やかな剪定が必要になり、小規模だからできることと感じます。もし大規模でどんどん、見た目重視、となったら、農薬や防草シートや肥料が必要になるでしょうから。

ゆっくりじんわりこじんまり。「大切にされている」という気持ちを運んでくれるのが、小規模の良さだと思います。ささやかな贅沢をお楽しみください。



スイカ割りと恐竜博士

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夏休み最後の日、スイカ割りで締めくくりました。
でも、この時点でまだ宿題未完成(笑)。


終了3日前になって息子2の自由研究に大幅な変更があったのです。
最初はすでに出来上がっていた「いないものずかん」を出すと言っていたのですが、協議の結果作りかけの工作を仕上げることになりました。

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それがまた巨大でして(;^_^A 見通しはあったものの、手と角しか作ってなかった恐竜の工作、3日でできるのか? 大好きな恐竜図鑑を開き、「体長が3mの中から選ぶ」という彼なりの基準で選んだ草食恐竜の「スティギモロク」。出来上がりは1.5mくらいだったので1/2縮尺?!

まる2日かかって何とか形になったのですが、そこは低学年、3日目の作業は集中力が…スイカ割りで気を取り直し、夕方から細かい仕上げに入ったのですがそこからがまた長い道のり。21時半にようやく完成。

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学校の玄関から一人で持ち運べるように台座とひもをつけてあげました。ほんとはあまり手を貸したくないのですが、自分より大きなものを作ろうというエネルギーが素晴らしいと思うので、そちら重視でしっぽが折れない工夫やどうしたらバランスを取れるかのところはちょっとサポート。恐竜って縦に大きいイメージ(ゴジラの影響か)だったのですが、横って!と最初ちょっと戸惑いました。

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夫が車で助手席に息子2を乗せ、後ろの座面は外して載せた「スティギ」がガタゴト揺られて登校してゆく様はちょっと面白かったです。登校すると玄関脇の職員室からどよめきが聞こえたとか^^

「宿題忘れても歯磨き忘れるな(勉強は取り戻せるけど歯は悪くなったら取り返しがつかない!)」がモットーの我が家ですが、何とか宿題も提出できたようで、めでたしめでたし。夏休み無事終了!夏休みに子どもたちと遊んでくださった皆様にも心から感謝いたします。





 

夏の夜

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戦争で失われた多くの方々の御霊が安らかに眠られますように


シンプルに考えよう、戦争はいらない。核兵器もいらない。

 実体験していなくても、その時代をくぐってきた方たちが必死で伝えようとしてきたことを、しっかり受け取っています。子どもたちにも、受け渡してゆけるように。

関東で過ごした子ども時代は、広島の原爆・東京大空襲について知る機会が多く、高校の講演会では「からゆきさん」と言われる従軍慰安婦ルポルタージュ『サンダカン他八番娼館』を書いた山崎朋子さんのお話を聞く機会もありました。

北海道(大沼)の子供たちは、一般メディア以外では戦争について身近に知る機会が少ないように感じますが、シベリア抑留やロシアとの関わりが新聞などで目立ち、先の戦争について、関東とは違う一面を知ることができ興味深いです。この土地ならではのエピソードを、子どもたちと少しずつ学んでいきたいと思います。

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残暑お見舞い申し上げます

 おととい、9時過ぎに外へ出ると満天の星空。とても久しぶりの晴れた夜空。辺りは暑くも寒くもなく心地よく、2-30分見上げていただけで5つくらいの流れ星が見えました。1つはすごく大きく力強く弧を描いて。

夜窓を閉め忘れたら大変。明け方寒くて目が覚めます。ほんのちょこっとの貴重な暑さをかみしめて、庭で次々に咲く藤袴・萩・アキノキリンソウなど秋の花に少し焦りを感じるこの頃です。

信じられないほどの暑さの中にいる地域の皆様へ、少しでも涼しい風をお届けできればと思います。