庭がくれる宝物。差し出されるものを受け取る用意が、今はできている
毎年、毎日咲く何気ない花でも、ある日突然とびきりの美しさを見せてくれる。
カメラを取りに行っていたら、もうその瞬間は逃げてゆくけれど。
雨が少なく低温の続く今年は苺が豊作。去年は折角実をつけてもずいぶん長雨でだめになってしまった。
1日に苺パック1つ分穫れるようになり、夕方卵を持ってきてくれたYくんにもお裾分け。あげてもまだ苺シェイクを作れるほどあった♡
Yくんから先週もらったカーネーションに、花が咲きそうなタイムとアサツキを添えてみた。タイムはブッシュ風に飾るのもいいと気付く。アサツキのポンポンはどんな風にしても可愛い。
今年に入り児童文学作家佐藤さとるさんの自伝的物語を2冊読み、それはそれは面白くてねこひ日記にもご紹介したいけれど書き始めたら止まらなくなりそうで全然書けない。中で元小学校教諭だったお母さんが生け花免許を持っていて、戦後まもなく疎開先の旭川で生け花を乞われると、イタドリとトクサに子どもが持っていた石を借りて形にしたという場面がある。イタドリとトクサ!そして石!
私もそんな風に花を生けられることを目指したい。新しい目で、いつでも日常に美しさを見出す、そういう人のもとで育ったからこその佐藤さとるさんの作風の基盤が垣間見えた気がした。横浜から上野、函館を経て電車で旭川へ疎開する様子を偶然にも札幌へ向かう列車の中で読み、これ以上ない読書環境に感謝しつつ夢中になった一冊。
『オウリィと呼ばれたころ 終戦をはさんだ自伝物語』佐藤さとる、理論社