大沼から車で10分少々北へ走ると、鹿部という海辺の町へ出ます。
間欠泉のある温泉の町鹿部には温水プールがあるので、時々子どもと出かけます。今回更に足を延ばして海岸沿いを走り、南茅部の大船遺跡へゆきました。
この上で木の実などをすりつぶした大量の石皿!どれほどたくさんの人々がここで生活を重ねたのでしょう。大船遺跡では100棟以上もの竪穴住居跡が見つかっています。同時に100棟建っていたのではなく、時期をずらしてずっと同じ場所に集落があり続けたのです。
普通の竪穴に比べ大きいことも特徴。安定した食料を得られ豊かな生活が続いた証ではと見られています。周りには栗の木がずらっと囲み、海からも山からも豊富な資源が得られたのでしょう。
復元された住居(息子撮影)
南茅部の縄文遺跡群で有名なのは国宝にもなっている「中空土偶」で、すぐ近くの縄文文化交流センターで見ることができます。センターには何度も行ったことがあるのですが、大船遺跡は行って一般の人が見られる状態なのかよくわからず、これほど広大な遺跡とも知らずに素通りしていました。いずれ北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産になったら、ここにもたくさんの人が訪れることでしょう。
古いだけに、残っている物質が少なく世界遺産登録を阻んでいるそうですが、道南に来てこれほど縄文文化が身近に感じられることに毎度驚き、とても刺激を受けています。北東北とのつながりも面白いですし、ぜひ登録を応援したいですね!
ちなみにこの後は、すぐ近くの名湯へ立ち寄り硫黄泉で温まってきました。
秋風が吹く曇天の遺跡日和。渓谷は紅葉の時期もすばらしく、何度でも訪れたい場所のひとつです。