大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

イタクタクサ(言葉の清め草)

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夏の公園で息子が摘んでくれたお花

千葉・神奈川の大規模停電・断水は復旧にとても時間が掛かっていますね。今朝、うちでもわずかな時間の停電があり、電気が消えた地震直後の不安を1年ぶりに思い出しました。情報の少ない中、ラジオがとても頼りになりました。

新店舗では、電気がない中でどんな営業が出来るかな、と改めて考えました。電気も長らく止まってはとっても困るのですが、灯りはキャンドル、ガスが通っていれば火は大丈夫だから、お茶は出せる。ただ、水だけはなければどうにもなりません。

二風谷在住のアシリレラさんのHPで知り、ときどき唱えているお祈りの言葉があります。
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天の神様 地の神様 太陽の神様 月の神様 水の神様 火の神様
お見守りください 感謝しています

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ここに住んでいる先人の方へ敬意を捧げます、という言葉と共に、北海道での生活にぴったりくる気がしています。壮大な大地に暮らすアイヌの知恵でもあるのでしょう。

10年唱えていると、日常生活を支えてくれている大きな恵みとして、自然にこれらの6つの偉大さへの感謝が日々の中に湧いてくるようになりました。北の地ではことに火の神様のお世話にならないと冬を越せませんので、ストーブをアペフチ(火の神様でおばあちゃんにあたる)として大切に思い、特に親しみを持っています。

新店舗でも朝ガスの元栓をひねる時にアペフチへ「今日もよろしくお願いします」終わる時に「今日もありがとう」と声を掛けていましたが、お祈りの言葉を思い出して少し前からは水道を最初にひねる時も同じようにご挨拶しています。

私は特定の宗教を持っていませんが、人へのご挨拶と同じように、ここへ来てくれた物や毎日を支えてくれている火や水にご挨拶することは、それらを大切に使おうという心構えが湧き、良いものだと実感します。 天地の機嫌が良く、太陽と潮の満ち引きのおかげで食を得、火と水で調理している毎日。そこにいる小さな自分。

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息子の体温でぐんにゃりしていた小さな花は、水を入れた器に入れるとたちまちぴーんと生き返ったようになり、ほっとしました。

暑い中不自由をされている方々に一刻も早く日常生活が戻りますように。

*タイトルは以前読んだ萱野茂さんのアイヌの言葉集『イタクタクサ』よりお借りしました。