大沼ねこひ日記

高崎→東京→北海道大沼へ移住したひさQの旅日記。2019年夏三月の羊・喫茶室「喫茶ねこひ」open!

紅茶〜冬の旅4

最終日、最後の大仕事の前に少し体を休め、荷づくろいをして出発。

神保町の裏道にある青山ティーファクトリーさんへ。
西荻のお店へ足繁く通って下さったYさんからいただいた紅茶のお店。
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出発の直前になってしまったけれど、オーナーの清水さんにお手紙を出し、この日辺りに
お店に伺いますとお伝えしたものの、携帯もスマホもないのでそれのみの連絡でお店へ。
お店にいきなり行くことやお取引のお願いが失礼にならなかったか、受け入れてもらえるか
ちょっと緊張してたどり着く。

すぐにご挨拶すべきなのだろうけれど、ちょっとただのお客さんとしてお店を味わってみたく、
名乗らずに席に着く。茶葉の印象とはかなり違う、とても神保町っぽい気取らないお店。
潔いメニュー、ディンブラだけでも3種。まずは1番最初に書いてあるピーククオリティーを注文。
手早く準備して出されたポットに添えられた砂時計がかっきり3分を告げるのを待って紅茶を
注ぐ。一口目。ふわぁっと香りが広がる。
何だろう。まるでダージリンのような、今までのディンブラ観を覆すような香りの高い紅茶。

思わず感想を伝えると、「これが本当のディンブラなんです」にやっと清水さんが答えて下さった。
会話が始まりそうなので、名乗ってご挨拶。
「手紙、番地まで書かないと東京では届きませんよ。」
私が出した手紙、旅行前で慌ててたものだから番地を飛ばしていたらしく、郵便局の方が
調べて運んで下さったよう。お恥ずかしい。

怪しい手紙にも関わらず、お取引を承諾して下さり、小さな店内に次々とお客さんが入ってくる。
続いて2番目のディンブラとホットサンドのセットを注文。手ごろな値段がありがたい。
エネルギーを紅茶の質だけに絞っているからこそ実現できること。
他の方との会話にも清水さんの紅茶愛が溢れて止まらない様子を感じつつ、いただく。

にこやかに領収書を切って下さった後に、私がディンブラは2番目に飲んだ方を考えていると
お伝えすると、急に清水さんの顔つきがこわばった。
「あのレベルのはもう入れるつもりないんだけどなぁ」
「えーと…1番目の方はとても香りが高く美味しかったのですが、うちのお菓子には2番目が
合うと思いました。1番だとお菓子が負けてしまう感じがして」正直に伝える。

でも「…うーん」とうなり声。「どんなお菓子を作ってるの?」「喫茶では果物を使ったタルト
やチーズケーキを出します。」「チーズケーキねぇ…1番で合うと思うんだけどなぁ…
今度の仕入れでは2番のレベルのは入れないつもりだよ」
言葉を尽くしたけれど、いぶかしげな表情が崩れないまま、時間が来たのでおいとまする
ことになった。

お店を出ると正午近い。東京駅13:20発の新幹線に乗ることを考えると、
どこにも寄らず急ぎ足で行って丁度くらい。落ち込んでる暇はない。
小走り。焦っていると地下鉄の駅を出てJRの東京駅がどこかもわからなくなる。人に聞く。
「たぶんあっちだと思います」…あ、旅行者の方だったのかしら…お礼を言って走る。
八重洲北口。時間を確認し、改札口で北海道新幹線のホームまでの所要時間と、キャラクター
ストリートの場所を聞く。

ラストタスク、子どもたちへのお土産。キャラクターストリートにあるNHKブースで
びじゅチューン」グッズを買おうと決めてた。
が、ほんとにギリギリ。手近なお菓子や電車グッズにするか心揺らぐ。でも、喜ぶだろうなぁ。
迷ってる暇さえないので、5分で着けたら予定通り、無理なら諦めると決める。

TBSのブース発見。失礼と知りつつ「スイマセン、NHKのブースどこですか」と聞く。
迷惑な客。でも発見。到着して30秒で選び、カードで支払い。
振り返らずにまっすぐ新幹線ホームへ。出発8分前、無事ホームに到着。
あ、旦那に希望のおみやげ聞いた時私の笑顔って言ってたけど、ほんとによかった?…(^_^;)

新幹線の中で清水さんとのやりとり思い出し泣けてきた。これからスリランカへ渡り最高の
ディンブラを!と意気込んでいる清水さんの意気をくじくようなことを言ってしまったのでは、
ということ、一方で私は間違っていないという思いや伝わらないもどかしさ、くやしさ。
でも切り替えて柳宗悦の続きを読む。

4時間でうそのような景色の中へ。改札で出迎えてくれる3人。
外は同じ日本とは思えない吹雪の世界。
心静かな「ひとり」も終わって、次々と「あのねあのね」が飛んでくる。
私のいない間に初めての乳歯が抜けた息子2。顔つきも少しお兄さんになったよう。


家に着くと風呂もご飯も用意してあって、ほんとにこんな旦那はいないなーとしみじみするも
つかの間、食事後「メールは大丈夫だった?」頼んであったメールチェックを訪ねると、
「やってない」とのこと。
「一度も?!」

それはそうだよね。仕事以外に新店舗の天井のパテ塗りもして、子どもたちの世話や家事、
メールまでは無理か。
というわけで、食後早速メールの返信作業。半分終えて残りは翌日に。
幸い緊急性の高いお客様はおらずホッとする。
休む間もなく、家に帰れば家のこと、仕事、どたばたと。

翌日清水さんに手紙を添えたお菓子を送る。こちらのこと、まだ全然伝える努力してないものな。
5段階評価をした時、5を求めてあくなき探求を続ける青山ティーファクトリーさん。
私が5の紅茶ではなく4の紅茶を望んでいる理由、主役級の紅茶でなく名脇役のような紅茶を
求めていることを、手短に伝える。(かと言ってなかなか4さえないのが現状なので)

後日、清水さんがお電話でいきなり「負けるわ、これは」と切り出して下さった。
クッキーを食べながら紅茶を色々飲んで試して下さったよう。
「お菓子が紅茶に負ける」という意味を分かって下さった。
伝わった!通じ合えた!!という喜び。

「とてもいい粉を使ってるね。わかる人は少ないだろう。しかし、大人しい。
紅茶、ディンブラでは難しいかもしれないなぁ。ルフナのミルクティは合うものがあるよ」
ディンブラも、合うものがあったら購入して下さるとのこと。嬉しい。本当に嬉しかった。
そして芹沢のお菓子の力にも、こっそり拍手。

今、清水さんはスリランカで買い付けをされている最中。最高の香りのディンブラを求めて。
私が求めているようなディンブラが来るかはわからない。でも、買ってきたルフナを疲れた朝に
飲むと体がしゃきっとして元気になった。この感じが、やっぱりこのお店にお願いしたい、と
思う理由。銘柄とかは何でもいい。この感じは大切にしたいな、と思う。
あとは三月の羊のお菓子との兼ね合い。

長文乱文にお付き合いくださった皆様に感謝。ライブ感のあるうちに書きたかったのでした。
冬の旅、完。