たぶん写真愛好家の方だったら、私が撮ったこんなに映り込みの多い自分の写真作品を嫌がるだろうと思う。でも、それを面白がってくれるかもしれない、と思わせるのが土屋知子さんだ。知子さんは「愛好家」ではなくプロだけれど。
どんな写真展なのかみなさんにお伝えしなくてはと思うののに、何も浮かんでこない。私に写真を語るボキャブラリーが少ないというのも理由の一つだが、言葉では説明できない世界なのだもの。
ひとつ言えるのは、「店に飾る」ということをとってもわかって設えられている写真展だなぁということ。それは「SEE MORE GLASS」での経験を踏まえているのかもしれないし、知子さんが喫茶店をこよなく愛するひとだからかもしれないし、三月の羊と喫茶ねこひをよく理解し、とても大切にしてくれているからかもしれない。
少しのノスタルジックと幻想を帯びたコラージュのような世界は、森の中でどんな空気を孕むのか。それは「今」や映り込む緑や店の灯りと相まって、不思議な感覚を見る人に呼び起こすかもしれない。断言できない「ニュアンス」のようなものが、けれどふわふわしているわけではなく、凛々しく確かな目としてそこに在る。
明日からこの写真たちが、店内が、どんな顔を見せてくれるのか、一番楽しみなのは私。見たい人はこの指とーまれ。
会期:2020年7月2日(木)~9月6日(日)
*定休日 月曜・火曜に加え、しばらく水曜も休みます。
*8月1日(土)は都合により休みます。