大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

漫画と音楽

       

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日中暑いけれど、それでも最高気温30度。夜は半そででは肌寒い気温なので寒暖差で自律神経がやられ気味。秋の草花が静かに揺れています。自律神経の乱れらしき頭痛にはα波。そんなに信じてなかったんだけど、以前つらかった時息子1が手もみとα波で治してくれたことがあったので、それ以来なすすべがない時はイヤホンでα波を聞きながら入眠^^ 回復。

冬の入院時、自分が大変な時を乗り切るのに何が必要かだいたい見当がついていたので、漫画とウォークマンを持ち込みました。何はなくとも大抵の局面は漫画と音楽(とお風呂)があれば乗り切れる!という変な自信があり実際その通り。新店舗開設でここ1年、ゆっくり漫画を読む暇もなかったので、漫画を用意したら入院が楽しみにさえなりました。

3食昼寝・漫画付きとはなんと贅沢。お見舞い何がいい?という友人Yにすかさず頼んで持ち込んだ「聖☆おにいさん」にほのぼのし、途中「宇宙兄弟」と「コウノドリ」。現実的すぎない自分より過酷なドラマは入院にぴったり。並べておいたら研修医の先生や看護師さんとも会話がはずんだりして(モーニングばっかり)。

考えるということが出来ないときには、多少ぼーっとしてても流れるように進んでいくストーリー漫画が良いです。本はたぶん読めないだろうと思って保険で1冊だけ持っていき、この時ばかりはあらゐけいいちさんもパス。ナンセンス漫画って、すごく集中力がいるから。「日常」を隅から隅まで読み直したい気もしたけど、たぶん無理との判断正解。

後半思考回路が復活してきた頃合いを見計らってお見舞いに来てくれた友達Tちゃんにおねだりして吉田戦車さんの「伝染るんです」全5巻。これもすばらしかった。高校時代に大ヒットした有名なナンセンスギャグ漫画ですが、今読んでも味わい深く面白い。青年漫画だったはずだけどJKにもおじさまにも21世紀の小学生にもウケる吉田さんはやっぱりすごい。(後日息子らが見事にはまりました)

帰宅後精神安定剤としてT子さんが貸してくれた漫画数十冊と入眠導入に音楽が何よりの助け。あらゐさんの「CITY」を読めるようになっている自分の回復ぶりにほっとしたり。4月頭に夫から「1月から100冊くらい読んでるんじゃない?」と言われて「まさか」と言いつつ数えてみたら、手にしている「ジジジイ GGG」が101冊目で笑いました^^

基礎知識がない子どもにはピンとこないかと思いきや、いつのまにか息子らも「聖☆おにいさん」にはまり、今家族全員で手塚治虫の「ブッダ」を読んでいます。「聖☆おにいさん」は天界から降りてきたブッダとイエスが立川の古アパートに暮らすという設定なのですが、その中のブッダは手塚漫画が大好きで、黒本(講談社が出している黒いカバーの手塚治虫全集。全400冊あるらしい)をあがめているんです。

聖☆おにいさん」が「ブッダ」のパロディをしてるのに、「ブッダ」をしばらく読んでなかったから、本家「ブッダ」がパロディに見えて不思議な感覚。これを読んだ上でまた「聖☆おにいさん」が読みたくなってしまいます。息子1は「これってあの場面だよね」とすぐにどの場所とどれがリンクしているのか見つけて大喜び。

ブッダ」は小学生以来なので内容をほとんど忘れていましたが、まだ読んでいない(読んだけど忘れている)手塚漫画に出会えるのはとても幸せ。いつ何時読んでも、手塚治虫はほんとうにすばらしい。今「ブッダ」を読み返すと、私は手塚教にこの頃(たぶん11歳)から入信して、生き方の指針や世の中というもの、差別とか平和についてもほぼそこを基盤に生きてるのかも、と思うほどです。

死ぬまでに、あとどれくらい読めるだろうか。400冊あるという全集のうち、たぶん半分は読んだと思うんだけど。手塚さんと言えばアトムやジャングル大帝レオ、ブラック・ジャックなど少年漫画が有名ですが、それは氷山の一角で、人間の表も裏も全てを書ききってるんじゃないかと思うくらい古今東西宇宙まで果てしない。

ファンを自覚したのは数年前、Eテレで手塚を語る特集にコアなファンという伊集院光さんを含む数名が座談会してた時。自分ごときがファンを語るなんておこがましい、と思ってたけど、あれ?私この人たちの会話にふつーに混ざれるかも!?意外と読み込んでる?と気づいたのでした。ほかの漫画とは別枠で、ずっとずっと、きっと一生かけて読んでゆきます。