おかげさまで店舗販売無事終了しました。コロナ対策で緊張感のある営業ではありましたが、たくさんの方に来ていただき、最後まで営業(完走)できたことに心から感謝いたします。常に換気していたので最後の方は寒かったですよね。ご協力ありがとうございました。
少し前、新聞に「去年に比べて今あなたは幸せですか」というアンケートの結果が載っていました。「いいえ」が多数派だったのを見て「え、そうなの?」と思ってしまった自分のおめでたさに自分でびっくりしました。私、去年と比べてみても今幸せだと思っていたんですね。
過酷な状況にいらっしゃる方が多い中、こんな風に書いていいのか迷ったけれど、そこでハッとしたとき、幸福感は環境条件に必ずしも左右されないのかも、というのがひとつの気づきだったので書いてみます。
私が今年幸せだとはっきり感じているのは、今まで以上に人に助けてもらったからだと断言できるのです。もちろん、運よくお客様に恵まれ、お店が続けられたからこんなのんきに言えるのだと思うので小さな声になりますが、冬に大きな手術をして、今までできたことができなくなりました。
コロナの状況に関わらず、これからも人混みを避け、遠出はあまりできません。他にも幾つか、今後の人生でできなくなったことがあります。でも結果的には、「生きてるし働けるからいっか」。ある程度の年になれば少しずつできなくなることが増えてゆくのが人間だし、早めの終活だと思えば、と考えられるようになりました。
お店はアルバイトさんに助けてもらい、夫の協力もあって何とか続けることができましたが、筋力が復活するまでは幼少期のブラックジャックのような気持ちで、立っているのが精一杯という時もありました。これまでの人生「できるだけ自分の力でやりたい」という一心でやってきたけど、ここで無理をしたら病院でしていただいたことがパーになるので、方針転換。
情けないけれど、「みんなに助けてもらおう」と決めました。以前なら飲食店をやってるのに病気があるなんてかっこ悪いと思っていたけど、今どき誰しも病気や老いと付き合っているでしょう。体に事情があっても働けるお店を作ろう、と思いました。隠さず、必要があれば正直に伝えて無理なことはお願いしよう、と決めました。腹をくくると、意外とできることが多いように感じました。
仕事以外でもいっぱい人に助けてもらいました。家族はもちろんのこと、友人たちには送迎や子供たちを見てもらうなどたくさん力を借りました。息子2には「こんなに子どもに色々やらせる親っている?」と言われるほど^^でも、「いいでしょ、生きてるからさー。それに他のおうちにはないいい思いもしてるはず」。息子「…まあね」
コロナで人の流れが減った春、遠くの方からたくさんご注文をいただきました。ステイホームで需要が増えたこともありますが、私たちのことを気遣ってくださる方も多くいらっしゃったと思います。ご注文のささやかなやりとりのうちに、優しい思いやりを感じました。久しぶりの友達とも注文を通じて再会したり。
お店では、密にならないようにと気遣い合う方を多く見かけました。遠方の観光客の方は少なめだったけど、近郊からいらっしゃる方が増えました。ささやかなことひとつひとつが有難く感じる1年でした。
あなたにとって、今年はどんな年だったでしょうか。
コロナが収まっても、私はあまり遠くへ行けないし、できないことがいっぱいあるままです。でも、今働けることがとっても嬉しい。
12月はいつも幸せな気持ちになります。ご注文下さる方の温かい気持ちを分けてもらってるからでしょうか。人が人へ贈り物をする時のすてきな氣に触れると、感動で元気になります。
もうお店に立てないかもと不安にかられた日々を思いつつ、今年もありがとう、と店舗の道具ひとつひとつを仕舞いながら、好きなコーヒーを淹れられたことに充実感を感じました。感慨に浸る間もなくクリスマス菓子をせっせと出荷しています。
「期待値がすごく低いんですね」とFALLの三品さんに驚かれたことがあります。そう、私世の中にも人生にもあんまり期待してないみたい。ただ、今できることがあって嬉しい、私のことをこんなに思ってくれる人たちがいるってことが嬉しい。それはたぶん、人からみたらばからしいくらいささやかなことなのだろうけど。
できないことがたくさんあり、人に助けてもらってばかりの私ですが、していただいた幸福感は大きなパワーになって、ある意味とっても元氣いっぱいで何かがあふれそうなくらいです。幸せを感じる力は、どんなに体力がなくても意識するだけでOK。しかも意識すればするほど増幅していきます。
次は雪景色を撮りますね。あっという間に過ぎてしまった1週間でした。