大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

「風のたより」上映会


森町のハル小屋で、田代陽子さんの第二回監督作品「風のたより」が
上映されました。前作「空想の森」は東京にいた時BOX東中野での上映チラシを見つけ、
見には行けなかったのですが、とても印象的で、お店の厨房に飾っていました。
そのチラシの中に後姿の写っていた人たちと、まさか大沼で出会うとは思っていませんでした。
新得の「共同学舎」で暮らす若者を描き、山田農場とあかり農場の夫妻が登場していたのです)

2011年の4月から2年かけて、120人にインタビューを重ねた中から、
3家族の生活を描くことで「2011年3月11日」に向き合い続けた田代監督。
3時間11分に及ぶ大作でした。

大間を望む海、穏やかな音楽から始まり、静かに大間原発と向き合う
3家族を丁寧に描き、どの時間も輝きがたくさん感じられました。
そのうちひと家族は大沼の山田農場。次男の耕作君は息子の同級生でもあるので、
小1の息子にもぜひ見せたく、一緒に上映会に行きました。
初めての映画にしては長く大人っぽいものでしたが、最後までじっと見ていました。

チラシを見た時は、大間原発反対の想いの強いメッセージ性のある映画かな、と
いう印象を受けたのですが、実際の映画は、家族の温かさ、子どもたちや動物に
感じる希望を中心に描かれ、軽やかな音楽で爽やかに終わりました。

説明は上手くできませんが、私はとても励ましを感じました。
被災した人もそうでない人もたくさんの心の傷を負いながら生きてきた4年だったと思います。
迷い悩むことがあっても希望を見出して生きていく人の、
一生懸命な姿を共有できたからでしょうか。
自分のことも強く肯定でき、これでいい、と思えたし、今ある家族とのかけがえのない時間を
大切にしたいな、と改めて思いました。