大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

長い産後の終わり


「産後は3年」という認識を夫婦の合言葉にしている私たち。
息子1から始まって、息子2がそろそろ4歳。
私の長い「産後」は今年とうとう明けた。

杉並区にいたとき、とてもたくさんの助産師さんや施術師、先輩ママさんから
お話を聞いて教えていただいたこと。この言葉はとっても役に立ったし、
夫婦で共有できたことが何より良かったと思う。

出産という大仕事の後、思っている以上に体は疲れていて、本当の意味で回復するのに
3年かかるということだった。
その間はとにかく体をいたわり、精神的なゆらぎは当たり前。なので、堂々と私は
わがままをして、周りに甘えて過ごせたと思う。(結果、夫は痩せましたが…)

ところで丁度息子2の産後が明けた今年の初め、ふと目にした新聞記事がある。
それは道内向けの記事で、札幌の小児センターのお医者さんによるものだった。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDが日照時間の短い北国では不足しやすく、
その欠乏がアレルギーやアトピー性皮膚炎の発生率を高くしているという。
冬生まれの母乳で育てられた赤ちゃんにその発生率が高いとのことで、完全母乳の場合
十分食事に気をつける必要があり、むしろ粉ミルクには十分なビタミンDが含まれているということだった。


ふたりの子供を全く違う場所で産んだけど、どちらの時も周りがあまりに母乳の出や
子どもの体重に大さわぎするので私はとても驚いた。
こんなに騒がれたら出るものも出なくなってしまうし、出産後に敏感になっている母親には
かなりのプレッシャーがかかるだろうと思う。

とにかく体重が少しでも増えないと退院させてもらえないので、息子2の時看護婦さんが
「少し粉ミルクを足してなんとか体重を増やしましょうね〜」とミルクの用意を始めた。
ちょっと嫌だったけれど、年末のひとけのないがらんとした病院から一刻も早く出たくて、
私は承諾した。

そしてミルクをちょっと足し続けるリズムはかなり長い事続き、なんとなく出だしで調子を
崩してしまったことを、うっすら後悔し続けていた。
でも、その新聞記事を読んでミルクを足したメリットを知った時、ひっぱられていた
産後がすーっと遠ざかっていくのを感じた。

思いがけないことは良いことを含んでいる、ということがよくある。
「お母さん」と呼ばれることにようやく違和感がなくなったこの頃。
小学校の学芸会で「はじめの言葉」からもう涙ぐんでいる自分に驚いている。