大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

森の中の家


ある朝、7時頃トントンと誰かが戸をたたく。
誰だろうこんな早くに。
夫が扉を開けるものの誰もいない。
聞き違いかな、と思った瞬間、アカゲラが飛び去るのが見えた。

森の中の木造住宅の常か、
キツツキに狙われていたのだった。

それ以来、ちょくちょくノックされるようになった。
はじめは家に穴が開くのが怖くて、音がすると
「こらー」と追い払っていたが、途中から
家の周りに積んだ薪をつついてくれるようになって、
私たちの共存がうまくいくようになった。

アカゲラコゲラに薪の中の虫を食べてもらったおかげで、
冬に家へ運び込んだ薪の虫がだいぶ減ったと思う。
それでも、今年はてんとう虫がいっぱい出た。
(もっと嫌なにおいのするカメムシよりはましだけど)

冬の初めに一番日当りの良い窓でぎょっとするくらいたくさんの
てんとう虫が暖をとっているのを見かけてから、
私の中でのてんとう虫の価値は大暴落した。
(窓の外側でほんとうによかった)

冬のあいだ、薪から出たのが窓で暖をとっているのを
みつけては外へ出した。
春になるとみんな外へ出ていった。

先日テレビでデコレーション弁当の中にてんとう虫(を模したおかず)が
飾ってあったのを見て思わずぎゃっと叫ぶ。
何お弁当にてんとう虫いれてんの?!

もう私にとっててんとう虫は可愛い雑貨の模様じゃない。
暗闇でぶつかったときに放つクローバーのにおいがリアルにうかんで、
そのお弁当、すごーく気持ち悪かった。