大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

絵本パレード

朝の室温が0度を切った。結露が凍ってサッシが開かない。
姿見が曇って姿が見えない。あはは。ほんとにこんなんなるんだ。
おととい雪がぱらついてから、急速に冬の気配。
東京の雪と違って水分が少なく、
小さなコンペイ糖みたいな粉雪がぱらぱらと降った。
寒くなるにつれて散歩時間が少なくなりがちなこの頃。
絵本のお楽しみはお天気に関係ない。

図書館へ行くと、息子が自分で本を持って来るようになった。
大部分がこぐまちゃんとうさこちゃん
それに混じって、エッツの『ジルベルトとかぜ』なんてしぶいのが
入っていたりして。

ジルベルトとかぜ

ジルベルトとかぜ

全く可愛げのない絵本なんだよ。でも、しみじみと良い。
彼はじっと聞き入って、特にその時は反応がよめないんだけど、
数日経って突然「かぜくん、ねえかぜくん」などと
文中の台詞を言い出すので、しっかりインプットされているようだ。
インプットと言えば、半年近く読んでいないはずの『かばくん』(岸田衿子文、
中谷千代子絵、福音館書店)や『んぐまーま』の文章もふいに出て来る。
色んな絵本の文章が、つぎはぎだらけでずらずら出て来ることもある。
寝言でも、「ポックルトンの奥さん」とか「うさこちゃん」とか言ってる。
んぐまーま (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)

んぐまーま (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)


絵本をヘビーローテーションでせがまれるこの時期、何十回、何百回開いても
いつでもはっとする美しさと姿勢の正しさを見せてくれるのは、
ディック・ブルーナうさこちゃんだ。
とりわけ、シリーズ最初の4冊はすばらしい。

うさこちゃんとうみ (ブルーナの絵本)

うさこちゃんとうみ (ブルーナの絵本)

目を洗うような画面の秀逸さは言うまでもないが、
ふわふわさん(父)の、うさこちゃんに対する敬意ある態度がまたしゃれている。
「とうさんは どうぶつえんへ いこうかと おもってるんだが
 いっしょにくるかい?」
子に親がつくすのでも、親に子が引きずられるのでもない、
適度に自立した関係が、絵本全体に心地よい風となって吹き抜ける。