大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

二風谷へ〜夏旅1


二風谷へのお礼参りがついに実現。車で300㎞。
2008年あたり、長野や東北、北海道を休みの度にまわって移住先を探して
なかなかピンとくる場所が見つからず煮詰まっていた時、
ふと私がどうしても一度行ってみたかったところ、二風谷に行くことになった。
アイヌで初めて国会議員となった萱野茂さんの著作やアイヌ産婆青木愛子さんの『ウパシクマ』、
田口ランディさんの本などを読み、自分にとっては神秘的な場所だった。

苫小牧から1日数本のバスで1時間くらいだったかな。他をまわるついででは行けない場所
だったから、北海道に10回以上行ったことがあってもまだ行ったことのないアイヌの里。
その旅では飛行機の上から虹が見え、二風谷へ向かうバスの中からも1時間も大きな虹が
見えていた。二風谷へ降り、すっきりした気持ちで噴火湾を電車でぐるっと回りながら、
候補地を訪ね歩いた。その時に出会ったのが大沼で、ようやくふたりともがここ!と思った
移住の地だった。二風谷は穏やかで不思議な力に満ちているような場所なので、大沼との
出会いは二風谷のおかげのような気がして、お礼にもう一度行きたいなとずっと思っていた。


新しい方のアイヌ文化博物館を訪れると、建物に行くまでの道すがら幾つものチセ(家)や
プ(食量保存庫)が復元されている。子どもたちは鬼太郎ハウスのようなプが気に入った
らしく、響きの面白さも手伝ってはしゃいでいる。派手な観光地ではないので、
子どもたちの目にどう映るか心配していたけれど、チセのひとつでは昔の遊びなどを体験
でき、上の写真は弓矢を持たせてもらったところ。ヨモギの枯れ茎や萩などとタコ糸で出来た
簡単な弓矢でタヌキのパネルを狙う。

子どもたちがアイヌ文化に触れるのに、白老や阿寒湖、旭川などの大々的な観光地よりも
素朴な二風谷で親しむのは丁度良い感じがした。今すぐに明治時代からのつらい歴史を
頭に入れ込むよりも、まずは面白いなかっこいいな、と感じることが大切かなと思う。



儀礼に使うトゥキパスイ
それぞれ違った模様が刻まれる。民具の中に漫画「ゴールデンカムイ」に出てきた
キサラリ(子どもを脅かす道具)やストゥ(お仕置き棒)もあって盛り上がった。
ゴールデンカムイ」(野田サトル集英社)は残忍な場面もあるけれど、
アイヌ文化をとっても生き生きと描いていて、狩りの仕方なども詳細に出てくる。


二風谷ファミリーランドのバンガローに宿泊。初めてのバンガローに子どもたちは
大興奮。水場まで遠いのも新鮮だったのか、特に不満もなく楽しそうだった。
玄関先でお湯を沸かして家のインゲンを茹でたり、朝コーヒーを入れたり。
両隣りのバンガローの人たちとも仲良くなって、楽しい宿泊。平取は思ったより
かなり暑く、夜になっても気温があまり下がらないので寝苦しかったけれど。

北海道は広いので、場所によって気候が全然違う。
大沼の夕方すーっと涼しくなる気候や森の鳥の声のすばらしさを思う。
ファミリーランド敷地内には遊具や温泉もあって、広々した緑がどこまでも続いていた。

つづく