大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

絵本が生まれるところ

函館で長谷川義史さんの絵本ライブ。
自作絵本の朗読、ウクレレ弾き語りなど、
トーク以外もお楽しみがたくさん盛り込まれた1時間半。
長谷川さん、おちゃめでかわいいひとだった。

いいからいいから

いいからいいから

なかでも大きな白紙に筆で絵を描きながらお話をしてくれた
紙芝居ライブが面白かった。
出来上がった一枚の絵ではなく、画面にひとつずつアイテムが
増えていくんだけど、「ちょっとあほなんや」と
鼻からちょろっと鼻水描き足したりして、
絵の構造を分解して見せてもらった感じ。
立ち上がってゆく画面が、途中もそれぞれに完成されていてお見事。
『いいからいいから』でカミナリ様がおじいちゃんたちから取ったおへそを
「いつものくせでついとっちゃったけど、かえします」
と切手を貼らない郵便(おじいちゃんが切手代を払って受け取る)で
送り返してきた場面では、なんだか泣けてしまった。
寛容なおじいちゃんに、ではなく、不器用な生き方のカミナリ親子を描ける
長谷川さんの本質的なやさしさみたいなもが心にしみて。
視野が広くおおらかな絵柄の絵本は、図書館に勤めていたとき
見計らいの絵本の中でも、いつも新しい風を送ってくれるように感じて
読むのが楽しみだったな。
うん このあかちゃん―おとうちゃんの出産絵日記

うん このあかちゃん―おとうちゃんの出産絵日記

息子の出産直前、長谷川さんの3人の息子が生まれるときの
体験日記を読んで夫に薦めたら、それまで立ち会いに
及び腰だった彼が、立ち会ってみたいと言い出したことを思い出す。
穴から出て来る頭を見られるのはお父さんだけ、という
ところにスイッチを押されたらしい。
男の人の目線でかかれた出産本ってなかなかないからとっても貴重。
命への新鮮な感動と愛情が込められていてすてきな本だった。
一貫して子どもたちの味方。
みんなが自由にのびのびと生きられますようにという姿勢をもって、
交流が深かった石巻の子どもたちを励ますために描いた最新作
『ラーメンちゃん』も、そのストレートなメッセージだけでなく、
励ましてくれるものといえばラーメンやろっていう
発想のおちゃめさがすてき。
うちに帰ると「散歩でこんなにきのこみつけたよ」と笑顔の夫。
ドキドキのきのこカレー。みんな無事。