おかげさまでようやく風邪から復活。
長引いてちょっとつらかったものの、
弱っている間にハーブの力を実感し、
かたつむりガーデンがより身近になりました。
次々に穂をふくらませるラベンダーに励まされ、
香りに癒され、ピーターラビットみたいに
カミツレの煎じたのを飲んで優しさをもらったり。
寒くて半袖を着ることも少なかった2週間ですが、
ベリーが実り、夏の到来を実感しています。
季節のタルトにとうとう庭の山桑が入りました。
それから七飯のブルーベリーとラズベリー。
なんてぜいたくなんでしょう。
宝石みたいなベリーは、焼くと地味なお菓子になりますが、
この素朴な甘酸っぱさの幸せ、今だけの幸せな味を堪能。
素材の近くに引っ越してきたからこそ出せるタルトです。
「イギリスの田舎のティーハウスみたいなお菓子」という
夫の表現は、10年前の私にはわからなかったけれど、
今こうして味わいながら、「三月の羊」の着実な進化に
こっそり心打たれます。
素材の素朴さをそのままに引き立てる。
そっと、誰にも気づかれなくても、彼はこういうものを作り続けて
ゆくのでしょう。そして鼻の良い人は、私が仕事をできない
あいだにもちゃんと来てくれる。そう信じられるタルトでした。
仕事に精を出したい気持ちと子育てとの間で揺れ動きながら、
いっぱい泣いたり笑ったりしながら、今はお客様へ届けきれない
ことも、せめて味わって自分の中にストックしておこう、と
爽やかな気持ちを運んでくれるベリーたち。
ちなみにキッシュにも自家製ズッキーニ、スナックエンドウなどが
入るようになりました。
ただでさえ自然農のぼうぼうした畑ですが、
今年はなお手をかけられず、それでも自然は気前良く恵みをくださるのですね。
庭で育てているグーズベリー、レッドカランツは、少ないながらも
収穫され、お酒に漬かって12月の特別なときを待っています。
ハスカップやブルーベリーが育つまでにはもうちょっとかかるかな。
北の大地はベリー天国です。