大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

スロウなお買い物

f:id:nekohi3:20220307171645j:plain

スロウ日和|心があったまる人・店・景色に出会える北海道のウェブメディア

ホワイトデーに続き、道の駅「なないろ・ななえ」のお隣りTHE DANSHAKU LOUNGEで行われるイベントの準備も続くので、冬ごもりの体を何とか目覚めさせようとしていますが、何せ辺りはまだ雪景色で静かなので、エンジンがかかりません。

それでも、日々少しずつお問い合わせのお電話(やってますか)やご注文、取材が入ってきて、もう冬眠してはいられない感じ(^_^;)

休み中に10個くらい懸案事項があったものの、6くらいクリア。ここを逃すとまた来年の冬ごもりになりそうなので、何とかもう1つくらいクリアしたいところ。

イベントを主催するクナウマガジン(ソーゴー印刷)は、道産本「スロウ」を主に、丁寧で質の高い書籍作りを手掛ける十勝の小さな出版社。コロナ下の、出版不況にもめげず、新しい企画を打ち出して、少数精鋭揃いのスタッフ陣の心意気を感じます。

私は昨年、オンラインでとみおかクリーニングさんの出版記念講演を拝見しましたが、コロナ下だからこそウェブ公開された講演は大変貴重でした。

2018~2019年に新店舗を作る時、雑誌や本をくりながら、気になったイメージ写真をファイルしていました。とみおかクリーニングさんの店舗の外観は、その頃デザインの本で見かけ、ファイリングしたひとつです。

おしゃれなパン屋さんかカフェのようなファザード。こちらに話しかけてくるような、今までのクリーニング屋さんの概念を覆すような外観でした。びっくりし、参考にさせていただきながらも、お店については深堀りすることなく時が過ぎました。

再びご縁をもらったのは昨年のクナウマガジンからのお便り。オンライン講演のご案内を見て、それが北海道の、しかも中標津という、予想していたような都会ではない場所にあるお店だったことにびっくりしました。そして、一体どうしてあんなすてきな店舗を自然豊かな場所に作ろうと思ったのか、余計に気になり、すぐに参加を申し込みました。

その秘密に迫るお話を、大沼に居ながらにしてお聞きすることができ、幸せでした。感銘を受けた部分だけ記憶をもとにざっくりお話しします。

社長の富岡さんは先代からお店を引き継いだ際、当時衰退してゆくクリーニング業を、「クリーニング屋とは」と定義から改めて考えたそうです。そして、クリーニング業はリサイクル業である、という考えに至りました。

クリーニング屋とはこんなものだ」という思い込みからただ発展を目指すのではなく、定義を新しい目で見定めるところから自分のお仕事としてお店を引き継がれたことがまず、本当にすばらしい!と思いました。

そこを軸にして、だったらこんなことができるのではないか、というアイデアを次々に形にされてゆかれたのです。また、一緒に講演会にも参加していらしたスタッフの方も生き生きされていて、スタッフの方たちのアイデアとフレッシュなパワーを生かした会社作りにも感激しました。

日頃私は、働く人も生き生きでき、店も活性化した状態をどうしたら作れるだろう、という宿題を握りしめていたので、そのヒントをいただいたような気がしました。まだ、システム化はできていないのですが、作り手も無理することなく良い製品と循環を生み出している、そして地域に根差しているとみおかクリーニングさんの在り方に大変勇気を頂きました。

このような機会をくださったクナウマガジンの編集部に、心から感謝しています。

北海道には面白い人がいる、それを掘り起こしてくれる出版社との共同作業。これからもその活動を楽しみにしています。「スロウなお買い物in Spring」は、そんなスタッフの方々が企画運営されていますので、普通のイベントとは一風違った温かい雰囲気のある手作り市となること請け合いです。ぜひお出かけください^^

『とみおかクリーニングの本』

3月・4月のお知らせ

f:id:nekohi3:20220303175215j:plain
こんにちは。みなさまお元気ですか。

今日は桃の節句新月ですね!

今年の店舗営業は、4月7日(木)スタートと決まりました🎉
どうぞよろしくお願いします!!

その他、店舗以外でのお菓子販売はこちら↓↓
(出品のみで私たちはいませんが、羊たちをよろしくお願いします

***************************************
3月18-21日 七飯男爵ラウンジ 「スロウなお買い物展 in Spring」
     *6種のクッキー・白黒羊ショートブレッドセット・限定詰め合わせセット
4月27日-5月3日 東京・松坂屋上野店 「北海道に魅せられた人たち」
     *ラム缶・クッキー缶・限定クッキーセット

***************************************
上野松坂屋様より、昨年秋のイベントが好評だったため、またお声がけいただくことができました。応援下さり、ありがとうございました!(昨年の様子

f:id:nekohi3:20220303175340j:plain

写真は以前この時期にKご夫妻からいただいたお花たち。いつも、まだ外には一輪の花もなく、花屋は遠い冬に、春を運んでくださいました。(ありがとうございます^^)

コロナが収束して、みなさんと気兼ねなくおしゃべりできる日が来ますように☆



春の兆し

f:id:nekohi3:20220227182107j:plain

          ↓  ↓  ↓

f:id:nekohi3:20220228203741j:plain
2週間前少しまとまった雪が降った時息子らが作った3段スノーマン、今は彫刻みたいになってる。

札幌では記録的な大雪が続いているというのに、今年の大沼は雪が少なく、私たちが住んだ12年でも例を見ない程。いつもは冬中真っ白な駒ケ岳が雪解けする頃現れる「ココペリ」模様がほとんど消えることなく出ていた。

(↓ 山の左側に見える男の人の形。ネイティブアメリカンの伝説に出てくる精霊みたい、と芹沢が見つけ、以来春の訪れの目安になっていた)

f:id:nekohi3:20220227182113j:plainf:id:nekohi3:20220227182109j:plain
2月に道路がこんな露わになっているのを見たのは初めて。雨でどんどん解けてゆく。
湖の氷も緩んできた。
f:id:nekohi3:20220227182104j:plain

f:id:nekohi3:20220227182115j:plain
明日から3月。ホワイトデーに向けにわかに仕事が活気づいてきた。おかげさまで変わらず冬ごもりして過ごせたことに感謝しつつ、そろそろ4月からの開店準備へ切り替えていかないと、と思うと少し焦る。冬の間に考えておかなくてはならないこと、整えておきたいことなどが、まだあるのでリストアップ。

花一つ咲いてないが、夕方息子2が「お母さん!土と緑が出てる!!久しぶりに見たー」と声を上げた。家の壁際の雪が後退し、ペタッと雪に押されて倒れたままの雑草が、乾いて今にも立ち上がりそうだった。

明るい眼差し

f:id:nekohi3:20220224142118j:plain

少し間があきました。みなさんお元気ですか。
私は久しぶりの友達に会って、すごく元気をもらいました。

2月はこのほか、99歳になる祖母に電話したり、94歳の叔母に会ったり。短い時間ながら勇気をもらった。90代に入った親愛なる人たちは口を揃えて「ちょっと長く生きすぎた~^^」と冗談めかして言うので返事に困る(^_^;)

私の大好きな90代の人たちは、明るくて話すといつもとても良いものをもらった気持ちになる。自分で自分の落とし前はつける、という覚悟を感じるし、誰かに何かしてもらおうなんて思ってない。もちろん実際には生活で手を借りなくてはならないとしても。

私が何か欲しいものはある?できることはある?と聞いても、「何もない。自分のことに使って」と笑ってる。今はお話しすることもかなわなくなってしまった保育ママさんちのおじちゃんは、北の大地へ来た私を気にかけ、大雪や災害があった時などほんの数年に1度唐突に電話をくれることがあった。

「ひーちゃんかい?元気かい?」群馬なまりの語尾で、温かい口調で。私が「元気だよ」と言うと、「そうか、なら良かった。」と電話を切ってしまう。ほんとに私の安否だけを気にかけてくれていたんだな、と伝わってくる。家が建った時は、「口座教えて。お礼はいらないよ」とだけ言って、ぽんとお祝いを入れてくださった。実に軽やかに。

親や親戚だけでなく、小さい頃から血のつながりのない周囲の人に愛情を注いでもらうことのできた有難みをしみじみ感じる。そのことが、どれほどその後社会を明るい目で見ることにつながっていることか。

コロナ下にあって、一番大変なのは、世界の全部を手と口で確認している真っ最中の小さなお子さんがいるお母さんなのではないかとずっと感じてきた。自分と子どもの感染対策をしながら、家に閉じこもらざるを得ず、それでいて子供たちには教育的刺激や人とのコミュニケーション能力を高める刺激が必要とわかっていながらも両立することは至難の業だ。年老いてきた親に助けを求めることも難しかったり、ましてや見知らぬ人の手に子どもを簡単に差し出すことはできないだろう。

みんなに可愛がってもらった、というほんのりした思い出が子どもの一生を照らしてゆくことを思うと、今を生きる子どもたちが不足しがちになるであろう社会的な温かみを補うものが何かないか、と考えずにいられない。親だけじゃない、先生だけじゃない大人との関わりがたくさんあるといいのだけど、残念ながらネットでは危険が多すぎる。

私にはその1番目にやはり本が浮かぶ。世知辛い事件はたくさんあるけれど、既に残された沢山の本、特に児童文学の中には、世の中を信じようという気持ちにさせてくれる作品が多い。足りないだろうけど、お日様の少ない冬にみかん食べるみたいに、子どもたちの心にせめて信じられる大人がいる、と届いたらいいな。

f:id:nekohi3:20220224145352j:plain

『小さな家のローラ』ワイルダー作、安野光雅絵・監訳、朝日出版社

内容だけでなく、製作に関わる全ての人たちの情熱が一心に詰まった本は、言わば「良い氣でいっぱいの大木」。だから、触っているだけで穏やかな気持ちになる。

有名な大草原の小さな家シリーズだが、上記は幾つか出ている中でも取っつきやすく、何と全てのページに安野さんの絵が描かれている豪華版。訳も読みやすく、安野さんがこの作品に掛ける思いが伝わってくる。年々あちらの世界へ行ってしまう巨匠たちだけど、こうして心血注いだお仕事が、私たちの手元に今も残ることは何と幸せだろう。

f:id:nekohi3:20220224150106j:plain

f:id:nekohi3:20220224150119j:plain

ローラのお母さんが「ジャック・フロストが描いた」と言っていた窓の模様はきっとこれね!車のフロントグラス越しに撮った。児童文学は、世界を見る明るい視点を増やしてくれる。大人にもおススメ。まだまだまだまだ残された、私の知らない世界を、これからじっくり見て行こう。






2022年展示のお知らせ

*6/30~8/14 工藤千紘展(絵画)

f:id:nekohi3:20220214163433j:plain

f:id:nekohi3:20220214163506j:plain

青森出身で人気の現代作家としてご活躍中の工藤さんとご縁があり、展示をしていただけることになりました。おくにを離れてずいぶん経つはずですが、内に秘めたパワー、その内向きな印象から強く青森を感じます。

昨年大沼に来て下さったときにお預けいただいた3点がこちら。一見するとさらっとした女の子の絵ですが、向き合った時にこの絵が投げかけてくるものの多さにとても驚きます。

それはきっと、工藤さんの内面と向き合う力、ずっと手放さずに続けているテーマの強さと技術、世の中が明るい循環であってほしいと願う健やかな心から生まれるのものなのではないでしょうか。

どちらかだけではこれ程絵が強力さを持ちえず、芯の明るい希望を命綱に内面へもぐってゆくからこそ、飲み込まれることなく深く暗い部分までたどり着くように思います。

f:id:nekohi3:20220214163628j:plain

ちょっとした画像の処理で繊細なタッチや印象が変わってしまうし、そこには私の捉え方が少なからず入るでしょうから、絵を載せるのにずいぶん時間が掛かってしまいました。それで、相変わらず言葉にするのはとっても難しいのです。

本物の絵描きさんがいたとして、その出てくる表現は他へ逃げずほぼ絵に集約されると思うのですが、工藤さんと接してこれ程言葉が自分の底へもぐってゆくようになるのは、きっと工藤さんが本物の絵描きさんだからなのだろうなぁと感じます。私の乏しい言葉で何とか皆さんにお伝えできると良いのですが、とにかく実物を見に来てください。

工藤さんについて紹介されたタグボードのページをご参考まで。


*8/18~9/18 植田真原画展(絵本原画)
f:id:nekohi3:20220213210120j:plain
(『りすとかえるとかぜのうた』植田真/作、BL出版

20年来のファンである植田真さんに展示をしていただけることになりました。現在上記の絵本の続編を執筆中とのことで、こちらかもしくは続編の原画を展示させていただきます。

『りすとかえるとかぜのうた』は昨年のブラチスラバ世界絵本原画展ノミネート作品として、現在原画の一部は全国を巡回中とのこと。どの絵をお借りすることになるかはまだわからないのですが、絵本に使われなかった習作なども展示予定です。
ブラチスラバ世界絵本原画展

f:id:nekohi3:20220213210140j:plain
(『はじめて考えるときのように』野矢茂樹/文、植田真/絵、PHPエディターズ・グループ)
数ある植田さんのお仕事の中でも個人的に特に好きな作品

3*9/29~11/27 スギヤマカナヨ原画展(絵本原画)

f:id:nekohi3:20220214173433j:plain
『山に木を植えました』(スギヤマカナヨ/作、畠山重篤/監修)


お待たせしました!今年もスギヤマカナヨさんの原画を展示します!場所柄ぜひこの本をみなさんに紹介したいと思っていました。カキじいさんこと畠山重篤さんの『漁師さんの森づくり~森は海の恋人』は教科書や天声人語にも取り上げられた名著。これをベースにカナヨさんがわかりやすく絵本仕立てで解き明かした科学絵本です。

サービス精神たっぷりなカナヨさんからあふれ出るパワーを、みなさんにお届けできたらいいなと思っています。
今年も喫茶ねこひの活動をお楽しみに!

 

 

雪の風紋・火の周辺

f:id:nekohi3:20220211100619j:plain

f:id:nekohi3:20220211100627j:plain
札幌では大変な大雪で交通障害などざまざまなトラブルが数日に渡って出るほどの積雪量でしたが、函館・大沼は今年は雪が少なく、この時期なのにいつもは春まで埋まっている乾いたアスファルトの道が見えていてびっくりしました。

しばらく雪が降っていなかったので、少しずつ太陽で解けた雪に風紋ができていました。

f:id:nekohi3:20220211100640j:plain

f:id:nekohi3:20220211100706j:plain

f:id:nekohi3:20220211100726j:plain
面白い質感。お話に出てくる『ゆうちゃんのみきさーしゃ』のアイスクリームみたい。

雪が少ない代わりに寒さは例年より厳しい気がします。朝、ゆらゆらと陽炎のように空気が揺らめいて、マイナス10度とか7度。そういう時は出ている皮膚がビーンと痛くなります。「さむーい」と身を縮こまらせるような感じではなくて、ただ痛い(>_<)。

カナダの友達がマイナス20度の地域に住んでると聞いて、みんなどうやって暮らしてるの?!と思いましたが、東京にいたら想像できない氷点下の日々も、家の中さえしっかり暖房されていれば、特に不都合はありません。

f:id:nekohi3:20220211101519j:plain
我が家はほぼ薪ストーブ1つで、補助的にホットカーペットや足元用の小さなストーブ(昔脱衣所にあったような)を使うくらいです。この時期は夜薪ストーブをしっかり焚いて家に蓄熱されているので、昼間は何もつけないこともあります。

夫の計らいで、比較的寒さの軽い時はすぐに燃え尽きてしまう白樺やカラマツ、切り落としの太枝など多め、厳冬期は特上の薪である楢など硬いものが運び込まれ、木によって火力や持ちが全然違うので面白いです。見た目が同じような大きさでも、持つと重さが全然違うので、密度を感じることができます。

晦日には春に子供たちが割った白樺などを入れてくれたので、しみじみと成長を感じながら一年を思い返すことができました。ここでの暮らしの最高の贅沢で、夫に感謝しています。とは言え、寄る年波もありますので、家族全員がこの暖房を望むなら、みんなで協力しなくては続きません。

息子らもだいぶ育ってきたので、家族会議をして今年は家事全体の割り振りを見直してみました。家の仕事を表に書き出して見える化し、今はこうだけど、できそうなことある?と割り振りを決め直し、担当を意識してもらうことに。子どもたちも乗り気で表にタイトルや色を付けて仕上げてくれました。

軌道に乗るまではひたすら私が声掛け、になるけど(^_^;) 良い循環が作れるといいなぁ。これもまた、「どうしたら私が店に長く立てるか」の改良の一環なのでした。


2月のお菓子2・お茶の時間

 

f:id:nekohi3:20220208162517p:plain
f:id:nekohi3:20220208162906j:plain

こちらも2月~3月中旬発売中♪
楽しいお茶のひとときを。

f:id:nekohi3:20220208163150j:plainf:id:nekohi3:20220208164000j:plain

コロナ下で息子1が家庭科の調理実習をなかなかできず、残念に思っていました。先生はオンラインで一緒に作る動画などができないかなど涙ぐましく手探りしてくださっていますが、やはり難しい状況。

息子1が2年後には旅立ってゆく前提で接している私としては、それまでに何を伝えられるかと時々焦るような気持ちになります。成人年齢の引き下げ、選挙やクレジットカードを作る年齢も引き下げられるとなれば、それまでにある程度の一般常識や判断力、考える力を身に着けておく必要があるでしょう。

自分だって大して力もないのにほわんと大人になってしまったから大したことは言えないのですが(^_^;) 限られた時間の中でこれは身につけてもらいたい、と新年に一緒にやったのは、「お茶を淹れる」こと。

ご飯を炊く・味噌汁を作る・一品作るはもちろん基本で大切だけど、この横道にそれた「お茶を淹れる」が私はすごく好きな作業であり、息子の人生にもあって欲しいな、と思い、緑茶を一緒に淹れました。休み中に3回淹れてもらい、ひとまず完了。

簡単な作業ですが、お茶を淹れる所作や時間は本当にたくさんのことを教えてくれます。淹れるものは何でも、気持ちは同じ。まずは自分に美味しいお茶を淹れる。ほっと一息つく。それを人生のおともにしてもらえたら、と思いました。

私にとってはお茶を淹れる作業は気持ちが落ち着き、とても心満たされるものです。しゅんしゅんとよく湧いた薬缶の音、しっかり温めた急須に適切な茶葉を入れて適切に注ぐお湯、すぐさま閉める蓋。茶葉が開いてゆくのを感じながら過ごす時間も香りも、丁寧に注ぎ完璧な色で湯飲みの中に踊り輝くお茶も、まず自分を癒してくれます。

飲めばほっとひと息。呼吸を止めて動いていたことを教えてくれることもあれば、不安や緊張をしばしほどいてくれたり、手を暖めて心を緩めてくれたり。美味しく入らなければ、自分の状態を知ることもあります。他の方へお茶をお出しできる状態に、まずは自分を整えることをいつも心がけています。身だしなみのように。

手術後の仕事の仕方は手探りで、コロナ下ということもあり、この2年働き方に色々変化がありました。去年は少し引いたポジションで立ち回った喫茶業ですが、1年やってみて、私はお茶を淹れたくてこの仕事に就いたのだった、と改めて実感。歯がゆさや充実感が思うように感じられないジレンマはありましたが、大切なことを再確認。

今年はもっと店に立ちたいな、その為に何ができるだろう。充電できた心と体で立春の新しい光を浴びながら具体的に考えると、ワクワクした気持ちが噴き出てきました。皆さんご無事でいてください。そして形は変わることがあってもずっと続けてゆきますので、いつかまたお会いできますように。