大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

そこにある美しさ


いつも、どんなときも、等しく励ましを届けてくれる植物。
さいころから、私の友達。

被災した地域の方が安心して過ごせる日々がやってきますように。北陸だけでなく、ずっとずっと長いこと被災したままの生活をしている方々も、安らかな気持ちになれますよう。

写真は春に帰省した高崎の蓮華。

北海道には蓮華は咲かない。私のふるさとでは、休耕田で咲いていた。一面の蓮華畑を見るのは春の楽しみ。でも、今やその休耕田もほとんどが駐車場や宅地となり、残っていない。

たまたまタイミングよく3月の終わりに高崎にいたので、母に心当たりを訪ねると、あまり期待できないけどあそこにはあるかな、と教えてくれた場所があった。隙間時間を見つけて飛んで行く。果たして、あったあった!

旧友に再会したような嬉しさ。もういつお目に掛かれるかわからない。私にとっては桜よりも遠い花。鳥たちは良く知っていて、何かをたくさんついばんでいたが、私が近寄るとさーっと逃げていった。大沼ではその距離でも逃げられることがないので、新鮮だった。

透明感のある、なんとも言えない赤紫と白。葉も実に美しい。子どもの頃の「春探し」が楽しかったのは、やはり田んぼや畑の脇の道。アスファルトから逸れたあぜ道だったかも。

いつまでも見ていたかったけれど、お別れのときが来て、また来るときまで、きっとここにいてね、とそっと手を振った。「今・ここ」以外のものに手を振り、暮らす。もう会えない可能性を頭の片隅に思いながら、色々なものに手を振って、大沼へ帰った。

だから、こんなに美しい。あなたへもお裾分け。
今年が良い年でありますように、と何度でも祈りを込める。
みんな元気で。