大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

極寒の外と、もう一度ここから


今までにないほど雪が少なかった(その分寒さは厳しい)冬だけど、ここ数日1日10㎝ペースで積もったのでいつも通りの風景に。たまに5か月が雪のシーズンな年もあることを想うと、今年は楽させてもらったなぁ。

1月20日まで楽々出かけられたので、こうなると閉じこもり期間はわずか2か月。このくらいだと、静かな雪の季節は読書にもってこいなので、たいして苦にもならない。これも、行き先(友達)が増えたゆえの心のゆとりかな。運転もだいぶ上達。


一足早く受験を終えた息子1が作ってくれた夕飯。大学芋とスープ、丁寧な作業が伝わってくる優しい味でハッとするほど癒し効果があった。息子2が「お母さんも(お兄ちゃんを見習って)いつもこういうの作ってよ」とぼやくのを、息子1が「たまにだからできるんだよ」と制してくれる。疲れていたので何もかもが身に染みる。

家があるということ、暖がとれること、近くで自分に気を向けてくれる人がいること、どれもがありがたい。家がホッとできる場所に、なった。とうとうなった。……て、このセリフ前にも書いたっけ。

未だに避難生活をされている方、殺されてゆく子供たち。心を飛ばすときりがなく辛くなってもしまいがちで、イスラエル侵攻があってからグラグラする自分を支えるのが精いっぱいで、外側に気を向けていったら倒れそうで、少し目を伏せていた。

情けないけれど、少しの募金や背景を学ぶことくらいしかできない弱い自分を見つめながら、それでもまず、ここを整えることからと、心に言い聞かせて。言葉が上滑りすることのないように、戒めて。

満たされた、という実感を忘れずに、人の基本的なささやかな喜びが、小さくても波紋のように広がってゆくように、やっと今、おなかの真ん中から強い光を放てる気持ちになった。

武器を下ろし、家へ帰ろう。こぶしを下ろし、温かいスープを飲もう。
信頼できる人と愛を交わそう。それは本来、家族でなくても、すれ違う人とさえできること。そういう信頼を作っていこう。増やしていこう。

災害が来たら、恐らく弱者の私は困ることがたくさんあるだろう。でも、今何とかなるだろうと思えるのは、14年住んで築いてきた周りの人との信頼関係のおかげだと思う。特別な奉仕ができてなくても、挨拶だけでも、世の中は明るくなる。

笑顔はいますぐ、全ての人ができる、人間の一番の魔法ではないかしら。笑顔が出てこない人は、自分のだめなところをたくさん許して笑ってあげたらいい。そういう人は、たぶん人助けをするより、まず自分助けが必要かも。

一人ずつ笑顔を取り戻して、オセロみたいに、黒が白に変わってゆく。そういう瞬間が、生きているうちに見られたらいいな。まずはここから。