厚沢部へ行った。車で1時間半ほど。目当てはお米と材木と器。
夏に函館の雑貨屋「いろは」で、木の棚に薄日を浴びながら
並んでいた七尾さんの器を見たときのことは忘れられない。
現代作家の陶器を見てこんな気持ちになったのは久しぶり。
厚沢部の、ななおうた子さんの器だった。
大胆にいらないものをそぎ落とした印象がつんけんせず、
笑っているような、ほがらかな器だった。
だんなさんの七尾佳洋さんの陶器もまたすてき。
うた子さんの器よりもシャープで繊細、深淵さをたたえている。
どちらも気取りすぎない、日常に馴染む作りだ。
ふたりの器が主張しすぎることなく並んでいる棚を見て、
お子さんたちの写真を見て、いつかこの家族にお会いしたいと思っていた。
清水工房でお茶をいただきながら、うた子さんも5月に西荻の魯山で
展覧会の際、三月の羊に寄ろうとしていたと聞いた。
数年間飯茶碗を探していた夫用に器をいただいた。
ご飯が入り、そのうえにおかずなどがちょこっとのると、
その彩りはひときわ美しく、
七尾さんの細やかな仕事にほれぼれした。
清水工房 檜山郡厚沢部町字清水78−1
tel 0139−67−2730