大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

漬け物

しばれる」という表現がぴったりくる寒さ。大雪。
朝は玄関先マイナス14度。風呂場でおもちゃのアヒルが凍りつき、とれない。
でも暖房さえあれば、窓の外に雪が降る様はいつまでも見飽きることがない。

ドライブインをしていた頃36時間働いていたこともあるという大家さんの奥さんは、
赤かぶの漬け物や昆布の佃煮などを折々に差し入れしてくださる。

先月いただいたニシンの入った漬け物がおいしかったのでレシピを教えてもらった。
ちょうどハルエさんから借りた
『農家が教える発酵食の知恵』(農文協、2009年)でも、
政田農園のおばあちゃんが「キャベツのニシン漬け」として
同じものを紹介しており、漁港が近いこの辺りの郷土食のよう。

大根、キャベツの上に塩を降り、麹、昆布、人参、唐辛子を混ぜておいた物を
のせ、ふやかした身欠きニシンをのせる。1ヶ月で食べごろ。
いただいたものは、ニシンが発酵した独特の旨味が大根に染み込んで、
これまでに食べた事のない味わいがあった。

昨年漬けた初めてのたくわんも完成。
ちょっとしょっぱいけど、畑で引き抜いたあの大根が(「大根のうた」参照)、
と思うと感慨深い。蓋を開けると糠がとても良い香り。
「柿やみかんの皮」がなかったのでハマナスの実の皮を干して入れた。
心なしかその香りが感じられる。

保存食を食べながら、夏や秋のことを思い出す。
そして春が来たらあれを摘もうとか、今年はもっと桑の実を摘もうとか、
野望が広がってゆく。
こうした食べ物が連れてきてくれる過去・現在・未来は、
田舎にいて特に感じられるとても豊かな楽しみのひとつ。