大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

いのち

胎児2kgと付属品。合計10kgの荷物をしょって
登山をしているような日々。

8合目まで来た時は、もうすぐというよりも
頂上まで果てしなく遠い道のりに感じたけど、
さすがにここまでくれば、いよいよという気持ちになる。

初めての妊娠のとき、「出産はゴールじゃない」と
マッサージ師さんに言われて、
そうは言ってもなかなか産後を想像することはできなかった。

結婚をゴールと思ったことは一度もないけれど、
五体満足な子どもを母子とも無事で生むことは、
個性的な体を与えられた私にとってはやっぱりあるひとつのゴールで、
そこを通過したことはすごく自信になっている。

ほんとうに、その重みをかみしめているから
3歳児のケンケンした態度にも、ちょっと笑えるんだと思う。
大変さもあるけど、ちゃんと親にも言いたいことを言えるコに、
順調に育ってるなーって内心安心してしまう。

子どもを育てていくなかで、色んな「いい」「悪い」の知識を
与えられるけれど、頭がごちゃごちゃしたときは、
取りあえずシンプルに思う。
健康で、生きててて、目がキラキラしてるならオッケーって。

共働きで忙しかった母をサポートして私を赤ん坊の時から
育ててくれたおばちゃんは、20代の娘をがんで亡くした後
私に言った。

「ひーちゃん、人に気ぃつかわなくていいから長生きしとくれ」
その言葉にあふれる愛情に、いのちをいちばん大事に思ってもらったぬくもりに、
今でも何度となく励まされている。