大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

ミラクル


アンティークと古本の街、西荻窪
吉祥寺のお隣にある、地味ながらディープな街です。

三月の羊が西荻にリニューアルオープンしたのは丁度10年前の10月でした。
(三月の羊はパティスリーで修行を積んだ夫が2001年大田区に開業。
2004年の結婚を機に場所を移し、ふたりの店となりました。)
それまでのんびりマイペースにしか働いてこなかった私にとって、
初めての自営業、ほぼ初めての飲食業はウォータースプラッシュ!

それから10年、ものすごくエキサイティングで、
こんなに全力で何かをやるということがなかったので、
「生きている」感じがひしひしとするようになりました。

オープンの日のドキドキ感は今でも覚えています。
気づいたらバンジージャンプの飛び込み台に立っていた、そんな感じでした。
何しろ丁寧に教えてくれる人もいません。夫は奥でかかりきりで作業。
自分がこれまでに集めた知識と経験だけをフル活用して、その場を盛り切り
しなければならないのです。

図書館の同僚だったSさんたちが支えてくれてなんとか切り抜けた1週間。
ほとんど記憶のない2年間。
ちょっと落ち着いた3年目。
妊娠して迎えた4年目。
移住先が定まり、東京でやり残しのないようラストスパートの5年目。

毎日たくさんの人が来るお店という場所は、もはや私たちの思惑を越えて
すごくたくさんの人に「作られた」感じでした。
セッションのように居る人によって何かが奏でられ、私はそれを整えるイメージ。
街もお店もほんとうに大好きだったので、今でも西荻で三月の羊をしたことを誇りに思っています。


(息子の保育園土産ノブドウのリースにイヌタデを添えて)

そんな念が伝わるのでしょうか。
西荻のお店を利用してました(通販含む)とか西荻の方から聞きましたという方が
今でも途切れることなく声をかけてくださるのです。

当時独身だった女の子が結婚式や出産内祝いに使って下さったり、
通販で利用していてくれた奥尻島の方や
札幌から東京の店を訪ねたことのある方が、大沼へ来て下さったり、
今日は、西荻のお店に時々寄っていたという方がたまたま観光で通りかかり、
羊の看板に驚いて入って来てくださいました。

私にとっては全てミラクル。
数々のミラクルに触れる度、何とも言えない気持ちになります。
この仕事ができて嬉しいです。

あのぼんやりした人間が、夫のスパルタ教育とお客さんに磨かれてここまできました。
自分の経験の全て(良いことも悪いと思っていたことも)が生かせる場所があるって
ほんとうに幸せなことです。

全てのお客さんと支援してくださった方々、友人、家族に感謝します。
今でも(特に2人目出産後)ぼんやりでご迷惑かけることがありますが、
どうぞこれからもよろしくお願いします!

そしていつもねこひ日記を読んでくださってるみなさんに
心からお礼を申し上げます。
画面の前にいるみなさん、ありがとう☆
次は紅葉シーズンに入った大沼の美写真をたくさん撮ってきますね。