私たちが移住してから5年。今ではちょっとブームにさえなっている「移住」。
一昔前の流れ「退職したら田舎へ」に加え、若い世代の人たちも、
「どこでどうやって生きていくか」を考え、自分で選んだ場所で
生きていくことが当たり前のようになってきました。
とは言え、私は決して大手を挙げて移住をお勧めしてはいません。
色々試してみて、小さい頃の環境で作られた体は一生のもので、
その場所が体には適応しやすいのだなぁと肌で感じますし、
大沼にいると、生まれた場所で、周りがみんな見知った人の中で過ごす
安堵感っていいなぁ、両親の母校に子どもが通うってすてきだなぁと思います。
自分がどうして故郷群馬に帰らないのか、今でもよくわかりませんし、
そうできる人を多少うらやましく思ってきました。
罪悪感を感じていたとき、整体師の寺門拓己さんが著書の中で
「遺伝子は遠くへ行きたがる」という話をしていて、安堵したことを覚えています。
種がその場所で花開くことも自然ならば、風で飛ばされて
遠くまで子孫を残そうとすることもまた、自然なのかもしれません。
さて、移住して面白かったことやよかったことがどんなに増えても、
まだまだ慣れないことや、体がつらいな、と思うこともあります。
そんな中、子育てに関しては「よかった!」と言えることばかり。
今年は長男が小学校へ入ったので、特にそう実感しました。
1学年6人の教室では、先生がひとりひとり丁寧に見てくれますし、
全校57人がいとこ同士みたいに仲良く遊んで、
大変アットホームな雰囲気です(実際兄弟やいとこだらけ)。
休み時間に1年生から6年生が一緒にサッカー出来るなんて、いいですよね。
ひとりひとりが校長先生と名刺交換をしたり、どの先生も
子どもたちの顔を覚えていてくれたり、おうちの事情を汲んで
対処してくれたり、全校1000人近い小学校に通っていた
私たち夫婦には驚くことがいっぱいありました。
先日は初めての学芸会。
1学年6−12人くらいなので、どの子にもしっかり出番があって、みんなが主役。
セリフもたくさんあるのにみんなちゃんと覚えていてびっくりです。
1年生6人はそれぞれ個性的で、「ドラえもん」みたいに、
誰かひとりでも欠かすことはできないキャラクターがあります。
小さい時から知っている子も多いので成長を感じたり、
どの子もとっても可愛いです。
子どもたちも6人が「仲間」という意識を強く持っていることがわかり、
感動することが多々あります。
田舎では、子どもは宝。親だけでなく地域の方々にもそう思って
もらえるって、すばらしいことですね。
大切にされているのでしょう、息子は小学校が大好きです。
いつも自分で起きて、遅れないように私や弟を急かして出て行きます。
もちろん、大勢の中で磨かれることもあるでしょうから、
ある部分は多少のデメリットもあるかもしれませんが、今のところ
順調な小学校生活を送っています。
どこの馬の骨だかわからない移住者を快く大らかに受け入れてくださる
地域の方々に心から感謝しています。