大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

いつかの私へ

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倉敷から来て下さった自転車のお客さん、キャンプ場にお泊りとのことでしばし雑談。昨年の豪雨の様子を聞いた後、「20年前北海道を旅していた」という共通点で盛り上がりました。

その方は当時バイク、私は自転車とツールは違いますが、私の青春の全てが詰まった北海道の旅の空気感を共有できることがとても嬉しかったです。
「今のキャンパーって道具も多くリッチな感じなんですよね」とその方がおっしゃっていました。確かに今、ちょっとアウトドアブームですものね。芹沢みたいに修行僧のような登山者とか、20代の私のような貧乏旅行をする若者は少数派なのでしょう。

貧乏旅行、よかったですよね、という話題で再び盛り上がりました。最低限の荷物だけ持って、スマホではなく会った人から必死で情報収集して、ツーリングマップに全て書き込んで。今は少なくなったそうですが、当時はそこそこあったライダーハウスと呼ばれる安宿があり、1000円くらいで泊まることができました。

本格的な自転車部のツーリングの人たちは重装備で両側にしっかり荷物を括り付けているのですが、私はキャンプ道具を持つほどの体力がないと自覚があったので、コッヘルとコンパクトバーナー、パンク修理の道具とタオルとロープを積んだだけの軽装備でどこへでも行きました。疲れたら輪行(小さくした自転車を電車に積むこと)してワープ。

色々な事件がある昨今、子どもたちに気軽には勧められませんが、親がいなくてもどこまでも自分の力で行けるという感覚は、ぜひ身につけてほしいです。サロマ湖の近くのトレインハウスでは到着時私ひとりで、辺りは真っ暗で何もなくさすがにゾッとしたり、後から1人来た時はそれでそれでドキドキしたり、結局数人になってお互いの旅話を持ち寄ったり。

ライダーハウスは旅人好きの方がご厚意でやってらっしゃるところが多く、ラーメン屋さんの2階だったり、元旅人がオーナーでプレハブだったりしました。翌朝には「行ってらっしゃ~い」とお見送りしてくれたり。とても温かい気持ちをいただきました。
今は自分が、あの思い出に持ち帰った「北海道」の一部になってるんだなぁと不思議で嬉しい気持ちです。

東京へ戻ると(最寄りのJRが新宿だったもので)違和感があり、1週間くらいは心が北海道から戻らなかったっけ。東北へ行ってもアイルランドへ行っても、なんだか「北海道っぽい」風景を見つけてすぐに行きたくなってしまったっけ。明治通りに何故かポツンと植えられていたハマナスに親近感を抱き、心の中で話しかけてしまったっけ。

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ラベンダーがとても良い香りを放ち、蜂や蝶が舞う庭で、風景に溶けてしまいそうな今日でした。完熟苺タルト、あと数日でほんとのほんとに今シーズン終わりです☆