大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

鎌倉〜冬の旅1


行ってきました鎌倉・東京。久しぶりのひとり旅を満喫し、新店舗の構想考えつつ
朝から晩まで足がパンパンになるまで歩いてきました。よくもみほぐして次の日、
また次の日も。連休の鎌倉は修学旅行生でいっぱいの新京極(京都)みたいになって
たけど、小春日和に心浮き立ちしばらくその波に流されてみたり、お蕎麦屋さんに
入ったり。でもどんな時でも心は新店舗に向かっているので、常にライトやメニュー
が気になったり。鎌倉の町はちょっと外れを歩くだけでも色々参考になります。

私はスーツケースを持ったことがなく、どこへ行くのも何泊するのもほぼ同じ、
車の旅以外は中くらいのリュックひとつです。それが自分が持てる量だから。
いかにもバックパッカーという体のどでかいのは初めての海外でエジプト・ギリシア
行った時は持って行ったけど、その量は多いなと感じてメキシコインドあたりからは
3日でも1か月でもそのスタイル。20代から変わっていません。
3日以上なら洗濯すればいいだけ。ロープと洗濯ばさみが加わります。

今回の宿「ホテルニューカマクラ」は、かつて格式のあるホテルだった築80年のレトロな建物を
ヒュッテのような使い方で運営してる面白いホテルです。ホテルマンはおらず、スタッフの方が
夜間以外数名常駐しているだけ。アパルトマンかメゾンという雰囲気でとてもさっぱりしています。
素泊まりのみですが、これだけ食べ物屋さんにあふれる鎌倉では、むしろありがたいくらい。
お願いすれば朝は近所のベーカリーカフェから出前をルームサービスで取り寄せられるそう。

鎌倉駅から徒歩1分という立地ですが、一番小さい「梅の間」は、5000円くらいでお借りできます。
3畳くらいの小部屋でトイレ風呂は共用(一人入浴可)ですが、昔の下宿(あるいは豪華な
ロッジ)みたいで楽しいです。こんな時小柄って便利だなと思います。3畳で何の不足もなし。
芥川龍之介がここで岡本かの子と出会ったという時代に思いを馳せながら、ミニマルについて
考えたり、ポイントを押さえたサービスの妙に感じ入ったり。お互いが楽をするシステムを考え
実践されているすばらしさ。人を選ぶと思うけど、こういう感じを求めている人は少なからず
いるでしょう。そこをちゃんと見抜いて長らく場所を守って下さっている方がいることに感謝。

鎌倉へ来た一番の目的は、古道具屋「R」さんを訪ねることでした。
江ノ電の窓から見えるすてきなお店の外観が気になってから十数年経って、ようやく
秘密の扉のような入り口をくぐることができました。静かでしっかり物と向き合える空間。
スケールを持っていって気になった物を片端から計測&撮影させていただきました。
家具をチェックしに行ったので買わなかったけど、山形の平清水焼の片口がすばらしい色でした。

夜は数年前鎌倉に転居した友人夫婦が営む「香菜軒 寓」へ。味はもちろんのこと、
ふたりの人柄に惹かれて通う常連客も多い、町外れの隠れ家のようなお店です。
スマホも携帯もない旅なので、事前に電車や地図を書き込んで予習するのですが、
ここは特に夜迷子になったら大変そうな場所だったので2回地図を書き写し、しっかり頭に
入れて行きました。優しいカレーの味を思い浮かべつつ。
迷うことなく到着。駅前とは全然違う風情の途中の街並みについ足を止め、予定時刻は過ぎた
ものの、常連の近所のお客さんも交えて話が弾み、気づけば21時。慌ててバスに飛び乗り、
一日目終了。夜は首元が寒い、1月の鎌倉でした。