大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

草に埋もれて

萩が咲いて、日差しが弱まった。
散歩途中でみつけたラズベリーの熟れたのだけを
もごうと、目と指の感覚が総動員する。
一番いいときのやつに触ると、ぽろっと小気味よくもげるんだ。

花火みたい。
戦争で亡くなった方々、虐げられた方々、関わった方の全ての
傷みのために祈る。
正午の祈りに参じながら、日本中でたくさんの人がお祈りして
いることを感じる。


庭を見渡すとぐんと植物がせまってきて、
山之口貘の詩がひょいと出て来る。
「生活の柄」を、私はまだまだ味わいつくせない。

「貘」では夢の中に現れたバクが「原子爆弾」や「水素爆弾」を
ぺろっと食べたら、「ぱっと地球が明るくなった」という
くだりが痛快で、何度も味わいたくなる。

原発も食べてもらったら、日本は明るくなるだろうか。
暗くなるだろうか。

大沼は星がきれいに見える。
観光地なのにこんなに夜が暗いことが、とても新鮮だった。
東京では電気を消しても消しても明るかったから。
暗い夜が、大沼の財産だと思う。
月が、見たこともない明るさで輝く。