3月11日までに。あとなるべく友達(初心者優先)を誘って。
なんとなくのルールを設けての寒仕込み。今年も無事味噌づくりを終えました。
14年、縄跳びのように回を刻みました。おかげさまで、今では2年物のお味噌を
食べられるようになり、味にコクが出てきました。
あたたかい大豆を混ぜる時の安心感と言ったらありません。本当に気持ちのいい作業
ですよ。何度かねこひ日記にも書いてるかもしれないけど、決して器用ではない自分でも
失敗した年は1度もなく、分量の計測さえ大きく間違えなければ「味噌に失敗なし」と
捉えています。どんな「やっちまった」も包容力のある味噌は大抵受け止めてくれます。
この話をすると、「私は前に作ったときかびが生えてしまった」という人がいます。
でも、味噌のかびは「失敗」ではないと私は思います。味噌のかびは、「状態」です。
怖がらずにその部分を取り除けば、却って底の方が美味しいこともある。
ただ、かびを引き延ばしてしまうと全体の風味が落ちます。
5年目くらいの時に「素材をバージョンアップして最良の味噌を作りたい」と数年に
渡り色々な素材を探りましたが、素材だけの話でもなく、1年1年少しづつ条件が
違うので、比べられないのです。それぞれが個性的。
その時の心のゆとりやメンバー、室内の片付き具合、作業がスムーズにいったか、
大豆の煮え具合など全てを満足のいく状態で揃えることなんてそうそうできず、
何が吉と出るかははっきり言えません。いくつかポイントはあるものの。
余計な欲が落ち、無理せず手に入る中で一番良さげな選択をしよう、思いがけない
ことはつきもの、という感じで力が抜けた今年はとてもスムーズに事が運びました。
大豆と麹は北海道のもの、塩は大島の海の精です。今年はどんな味になるのかな?
決して完璧にはいかないことも含め、いつも味噌や梅干しを仕込む時、子育てを思い
ます。子育ても失敗なし。人生最後まで、何がいい方に転ぶかわかりませんものね。
ある程度は、私がどうしたというより、その子の持ってる運みたいなのがある気がします。
できる範囲で良さげなことを選択する。素材を楽しみ、工程を楽しむ。
色々なことに通じそうな何か大きな知恵を、昔の人から教えてもらっているような
気分です。薪ストーブとの付き合いもしかり。(どのサイズの木も役に立つことや、
つけ始めは炉内に木をたくさん入れて、落ち着いてきたら手を抜いて、とか。)
3月2日は満月。旧暦の小正月ですね。
雪だらけの大沼ですが、春の光、春の風、春の空。
心がうきうきしてくるような誘いがあたりに漂っています。
静かな大沼もあと一時のこと。わーっと全てが動き出す前に、今を楽しみましょう♪