大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

手紙がつなぐ年

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以前作った雪の結晶を窓辺に飾りました 

今年の11月はどうかな?雪の降り具合で、お客様の出足もかなり変わってくるので、今年はコロナに加えて雪が降ったらもう誰も来ないのでは…と思っていたのですが、ほとんど降らずに終わりに差し掛かり、ほっとしました。

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店舗は明日11月29日まで 

今年は何かと手紙に縁のある年でした。もともと手紙好き、小さい頃口下手だった私を長らく助けてくれる大切な道具でもありました。周りの人みたいにぽんぽん言葉が出てこないから、会話だと伝えきれないことが、紙に書くとしっかり伝えられるのが、スローモーな私にはぴったりきたようです。

スタート地点は幼稚園の時。引っ込み思案な性格で「きょうお休みする」と言ったら、母が「そう、じゃあお手紙を書いて先生に持っていったら?」と言うので、持っていったところそのまま家に戻って来なかったという笑い話が残っています。その後手紙を書くといつでも、先生はとても丁寧なお返事をくださいました。

コミュニケーションが苦手だった私が、ゆっくり自分のペースでやりとりでき、会話以上に長いお話をしたような気持になれた「手紙」。自分には他に何も取り柄がないと思うような時でも、ずっと私を助けてくれた「手紙」。

切手収集が趣味だった父から記念切手を分けてもらい、切手帳に貼っていくのも好きな作業でした。大人になってプチグラパブリッシングが出していた真っ赤な切手帳を買ってとっておきの切手を貼りなおすと、世界に一冊の宝物になりました。切手好きの知子さんに見せたら、夏の展示のタイトルは「遠い朝の便り」(土屋知子写真展)。私の切手帳がきっかけ、とだいぶ後になって聞きました。

9月、コロナの影響で高濱さんが展示を「The Travering Stamps」に変更。切手をめぐる心の旅ができるようなすてきな展示でした。続いてカナヨさんの「てがみはすてきなおくりもの展」。手紙に関するあらゆる知識がギュッと詰まった著作から飛び出てきたような、楽しく発見のある展示です。

奇しくも先日息子2と読み終えたドリトル先生シリーズがこちら。

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ドリトル先生シリーズ第3作目

 郵便制度のないアフリカの国で鳥たちの助けを借りて国際郵便まで始めてしまうユニークなお話。ドリトル先生シリーズは数年かけてゆっくり息子2に読んでいるのですが、毎回気持ちのすくような名作。少し前に新聞で三谷幸喜さんが、ちょうど同じ年頃の息子さんにシリーズ4作目を読んでいると書いていました。

丁寧だけど現代っ子には分かりにくい訳は言い換えて、というところまでそっくり。三谷さんは一人称も時代がかってるから変えているそうですが、私はあえて先生の一人称は訳通り「わし」。太っちょのユーモラスな先生が「わしは……じゃ」「これであれは良くなるじゃろう」と時代がかった読み方で言うと息子は大爆笑。

長くなりました。ねこひ日記も、私はみなさんへのお手紙のような気持で書かせてもらっています。時々はつぶやきになってしまいますが、相手を慮ったていのお決まりの言葉が並ぶ手紙より、私はその人のことが書いてあるお手紙が好きです。明日はてがみ展最終日、まだじっくり見ていない方はどうぞお見逃しなく。