この2年インボイス制度について勉強し、悩み、試し、周りに聞き、ネットを彷徨ったり著名人のYouTubeチャンネルを覗いたり、何とか手がかりを得ようと努力してきました。これ程勉強しても今いち説明のしづらいこの制度って何なのでしょう。
途中コロナになったり、続く物価高騰ですぐそこに迫る対応に次々追われていたこともありますが、途中経過を書こうとしても、インボイス制度について考えると未来が薄暗く思え、苦しくて筆を執れませんでした。
そうこうしているうちに、もうすぐ制度は施行されようとしています。ストップできるのは、このタイミングしかない。始まる前に中止にしなくては、と思います。
早速ですが、来月から道の駅の販売価格が上がります。材料費の値上がり・包材の価格高騰に加え、インボイス制度開始が影響してます。数年は緩和措置がありますが、うちだけでなく、この影響はじわじわくると思われます。
登録業者になった場合もならなかった場合も、絶対的に経費と手間が発生し、それは結果的には数年掛かりで消費者に回ってきます。
小さい店にとっては打撃が大きいですし、企業にとっても、会計の煩雑さが増えた分は価格に反映されないはずがありません。
自分の利益にも関わることなので書きにくいのですが、私は消費者としても断固反対です。旅に出た先の町に、ショッピングモールと全国チェーンのスーパーしかなくなったら、なんてつまらないでしょう。
町の魅力の半分は、お店が作ってる。私はこれまで国内40都道府県以上を旅してきましたが、つくづくそう思います。西荻の町に住んで、実にそう思いました。インボイス制度は、小さな店を迫害します。旅先の、小さな個性的な店が、私たちの生活を豊かにしてくれているのではありませんか？
オンライン署名はこちら
（orgという団体が取りまとめている署名サイト。署名の後同じようなお知らせが来ることがありますが、orgから届くメールの最後に「メール停止」のリンクが貼ってありますので、不要になったら停止できます。募金などはしなくて大丈夫です。）
ここからは、私の話。
長くなるので、お時間のある方だけどうぞ☆
食品業界は、ここ数年ＨＡＣＣＡＰの施行や食品表示義務の強化で、ただでさえ事務量が倍増しています。友人はパンやお菓子を作ることに興味を持ってホテルのベーカリーに職を得ましたが、毎日表示シール貼りに多大なエネルギーを割くことにびっくりしていました。
うちも、以前より増えたシール貼りを、例えば道の駅出荷用のお菓子だけで、30分以上かかって仕上げます。成分計算や表示調べなどを入れたら、30分ではききません（この成分表示調べの長い長い話も、いつか聞いてください＞＜）。
息子らの協力で何とかやっていますが、そういったコストは、本来価格に反映されます。食品は競争が激しいので、今のように社会が節約傾向だと、価格を反映させることも難しいのが現状です。
もちろん必要があって始まったことだと理解しています。でも、札幌の一業者の漬物の粗相がきっかけで、秋田のおばあちゃんの手作りいぶりがっこを普通の人が買えなくなるような現状が、私には悲しいです。（参考：朝日デジタル2022年11月30日記事）
政府が決める枠組みは、大抵1～2人の小さな個人業務を無視しています。何重もの事務量の増加を、自営業者の妻である私は毎年背負ってきて、もう倒れそうです。
どうか政府の方は、声もかき消されてしまうような小さな店の存在を無視しないでください。賃金を上げる、ということすら難しい店では、自営業者（特に製造小売り店）の妻の人件費は決して働いた分になることはありません。
出産直前まで仕事をし、産後すぐに仕事に復帰し、手術後も十分休む間もなく店に立たなければ、家族を支えられないのです。コロナでも補填がないから、ゆっくり休養することもできないのです。
と、どっと出て来てしまいましたが、得たものもあります。赤ちゃんの息子を預ける先もなく店先に遊ばせていたら差し伸べられた子守の手や、家族で店を支える喜び、直接お客様へ手渡し、喜んでもらうことの充実感。これらがあるから、やっぱり手作りのお菓子を売る仕事を続けたいなと思ってしまうのです。
お菓子に癒されました、子供がアレルギーだからここのパンがあって助かる、大切な方の3回忌にその人が笑顔になるような羊のお菓子をお供えしたい、ここに来るとホッとします、……などなど、数えきれない宝物の言葉と心の交流をいただいているから、私はこの仕事を続けたい、と思います。
どうかお力を貸してください。
この声が、自分だけの為でなく、多くの同じような立場の方、また、未来の消費者の皆様の為になると信じて、書きました。
よろしくお願いします。
オンライン署名はこちら
（インボイス制度の署名をまとめるorgのサイト）
