大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

小さな力


非力で気まぐれな(農業には向かない)私でも簡単に採取できる
山菜の季節が来ました。
夫が窓の向こうにノビルが出てるよと教えてくれたので、初物をゲット。
先日作ったフキ味噌を香ばしくなるまで焼いたものをつけていただきました。
エシャロットに似た味で、少しネギみたいなぬるっとした味。

子どもたちは土筆(つくし)が好きで、張り切って摘んできたのを
お浸しにして食べました。
丁度友達から誕生日のお祝いにいただいた日本酒があったので、
お酒といただくと、乙なおつまみに♡ なんか料亭とかで出てきそう♪

山菜や野草って、沢山は食べられないけれど、見つけて摘むときの盛り上がりや、
頭を通さずに体が「食べたい!」ってぐいぐい引っ張ってくれる感じが
とても楽しいのです。
それに、何があっても豊かに出て来てくれるのだもの。

かつて就職活動を控え、「人はどうして働くの?働かないと生きてけませんか?」
という素朴な疑問を払拭しないと進むことができなかった私に、
絵本作家の五味太郎さんが「そうだな〜その辺にみかんでもなってたらいいのにね。」
と答えてくれたことが時々ふっと思い出されます。
(絵本のワークショップで数日一緒に過ごした時のことです)

20代に北海道を自転車で一人旅してきて、気軽にその辺のおじちゃんが
「明日コンブのバイトしねーか」とか声を掛けてくれたことは、自分が仕事を
考える時にすごく気持ちを楽にしてくれました。
ライダーハウスには無料か1000円くらいで泊まれ、宿のオーナーが
「明日キャロット(人参を洗うか選別する?)のバイトする人〜」と若者たちに聞き、
お金がなければそこに逗留して少し稼いでから動けばいいのです。
そして、次の日が雨ならみんなお休み。

それらの経験は、健康でさえあれば、自分ひとり養うことはできるんだな、
という実感を与えてくれました。

さて、話は山菜に戻ります。
日本は豊かな土地なので、どこにでも(東京のような都会にでも)野草が生えています。
もしも、それらを食べる知識があれば、例え災害などがあった時にも少しでも
心強さが増すのではないでしょうか。

大風の夜、もし避難すべきくらいの状況になったとき、と想定をして自分がどう生活するか
思い描いてみました。水とその辺に生えているものがあれば、しばらく生き延びられるかな、
と思いました(もちろん主食の炭水化物は重要ですが)。
火を使ってもいい、その辺でおしっこしてもいい場所であれば、そんなに困らないのかも
しれない。火を使うと暖が簡単に取れます。お水がその辺で汲んで飲めるならば、最高ですね。

少し前のブラタモリが「水の国熊本」というテーマで、市中であるにも関わらず
豊かな水に恵まれた熊本に驚いたばかりでした。
あの水は、きっと人々を救ってくれるでしょう。
平安を祈ります。